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この残酷な現実で  作者: 千手観音
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二度目の死

「ん、ここは草原か?取り敢えずあの真っ白い部屋からは抜け出せたみたいだな。」


宇多人が目覚めたのはRPG等で最初の町を出たらあるようなごく普通の草原だった。ある一つの事を除いては...


「なんだ、これ?プニプニしてるぞ。」


宇多人は起きてすぐに側にあった青色のゼリー状の物体を触っていた、そしてそれは只の物質ではなく


「痛っ!?てめえやりやがったな!!」


モンスターというこの世界の生き物だった...


「こいつスライムか!!なら俺にも倒せるぞ幾らなんでもスライムにも勝てないって事はねーだろ、食らえ【挑発】!!」


その行動が不味い事だということに宇多人が気づくのにそう時間は掛からなかった。


『スライムLv2が怒りの力でパワーアップしてビックスライムLv2に進化しました。』


『挑発によりドラゴンLv6と敵対状態になりました。』


「怒りの力ってなんだ!!使いどころ間違えてるって、ていうかドラゴンてそんなの何処にもいな...」


次の瞬間宇多人の目の前で巨大化していたスライムがいなくなり代わりに現れたのは全身が緑色の鱗で覆われたドラゴンだった。


「え、なにこれ、ちょ勝てねーよこんな奴、そうだ!!とうそ」


宇多人がスキルを発動しようとしたのを阻止するかのようにドラゴンは腕を降り下ろしたがその腕はスキルを阻止するだけに留まらず、六野宇多人という人物の二度目の人生を終わらせた。











「さっきのドラゴンめレベルアップしたらフルボッコにしてやる......」


宇多人が今いる空間は真っ黒の壁で囲まれた場所だった。


「にしてもここは何処だ?もしかして神様が甦らせてくれるとかか。」


「強ち間違ってないよー」


そんな声と共に現れたのは漆黒のドレスを着ている少女だった。


「だ、誰だっ!!俺をどうする気だよ!!」


「君達が邪神っていってる存在と言えば分かるかな?まぁまぁそう慌てなさんな、私だってねえ争い事は嫌いなんだ、でもねえアテナちゃんは私が邪魔だから消そうとしてるんだよ。」


「だからどうしろって聞いてるんだよ!!」


「要するに君にはまたあの世界に行ってもらうことになる、って事さ。」


「全っ然わかんねーよ!!」


「私だってねえ、こんな姿をしてるけど世界を滅ぼそうとする邪悪な神じゃないんだから。」


「お前星々を破壊しまくってるって聞いたぞ!」


「あれはね間違えて私が破壊してしまった事を利用したアテナちゃんの策略よ」


「は!?お前が破壊した事に間違いはないのか!!」


「アテナちゃんはね、本っ当に私を消したいらしいから、仕事の邪魔をしてくるの。」


「もしかしてさっきからお前が言っているアテナちゃんって..」


「君らを異世界へ送り出した神様だよ。」


「あの糞神め!!次会ったらこれでもかと言うほどぶん殴ってやる。」


「それはしなくていいから、でね私の願いというのは...」


「なんだよ」


「宿らせてくんない」


「は?」


「だから君の体に宿らせてって言ってるの。」


「な、何を言ってるんだお前は!」


「このままだと私殺されちゃうから、こっちの世界とあっちの世界が繋がれて転生者が殺しにくるんだよ。」


「お前なら返り討ちに出来るんじゃね?」


「大仕事の後だから十年は休憩が必要なんです、だからお願いします。」


「嫌だよ、断固拒否する邪神なんかに宿られたくない」


「別に意識乗っ取ったりしないからー!」


「あーもう分かったよでも俺弱いぞかなり、行った瞬間殺されたからな」


「それなら大丈夫才能を元に戻してあるから、普通に戦える筈だわ。」


「何っ!?」


「じゃあ見てみる?」


「お願いします邪神様!!」


「もう私は邪神じゃないから。」


すると宇多人の目の前に半透明のプレートが現れたそこに表示されていたのは...


【剣】【弓】【槍】【斧】【槌】【格闘】【火魔法】【水魔法】【風魔法】【土魔法】【光魔法】【闇魔法】【治癒魔法】【召喚魔法】....


「おおお!!!」


「ね、まともなスキル取得出来るでしょ。」


「マジ感謝っす邪神様、もう邪神教に入信します。」


「いや、入信しなくていいから。というか邪神教なんて無いから。」


「なあ邪神様、スキルって幾らでも取得出来るのか?」


「まあ出来るけど才能の許す限りの量だし、スキルが多いとスキルレベルも上がりにくくなるからね、10個位がいいんじゃない。」


「分かったよく自分で考えて取るよ。」











「あー終わっためっちゃ考えたから疲れた。」


「スキル見して」


「おい、人のスキルを勝手に見るな!!」


「宿る側として見る権利がありますー」


【剣Lv3】【火魔法Lv3】【水魔法Lv3】【風魔法Lv3】【治癒魔法Lv3】【身体強化Lv3】【回避Lv3】【魔法強化Lv3】【魔法剣Lv3】【幸運Lv3】


「おー綺麗に十個だわね。」


「なあ疑問なんだけどなんで全部3なんだ?」


「まあ、神様に宿られてるからじゃないの。」


「もっとチートな能力くれよ」


「じゃあひとつ約束出来るならこれあげる。」


「なんだこれ?」


宇多人の前に現れたのは装飾のない漆黒の剣だった。 


「これは魔剣アポカリプスっていう剣でかなりのレア物だからね。約束ていうのは私の事を邪神って言わない、これを約束出来るなら渡すわ。」


「分かったよ、じゃし、女神様」


「今、邪神って言い掛けたでしょ、まあいいわ女神様でいいわよ、はい」


「おっとこれでレア装備ゲットだぜ。」


「んじゃ行くわよ。」


「ちょ待ってくれよおい!!」


「時間がないから早くするわよ」


女神は一つの球体となり宇多人の胸辺りに吸い込まれていった。


「うおって何もなかった、ふー助かったー」


「じゃあ異世界にレッツゴー!!」


「え、なんだよこれ俺の体消えてる消えちゃ」


こうして宇多人と女神はまた異世界へ旅立った。




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