べ、べつに気にしてないから!
彼女が大声でそんなこと言うもんだから、周りの生徒が一層騒がしくなる。
もちつけ俺!冷静に状況を判断するんだ!
というか、いきなり現れたと思ったらこれか
彼女らしいといえばらしいが、なぜ大声で言ったし・・・
いや、落ち込んでる場合じゃない、まずは勘違いを正さねば!
「べっべつに告白なんてしてないんだからね!勘違いしないでよね!?」
しまった。動揺してるせいで、なんかツンデレぽく言ってしまった。
「勘違いってどーゆーことよ?」
なおも睨みながら、聞いてくる。
よかったツンデレはスルーなんだね。
けど、さっきからぐいぐい聞いてくるのな、あと目が怖いです。
桃丘の鋭い視線におどおどしながら答える。
「えっと、俺告白なんてしてないんだけど」
「でも、みんな言ってるわよ?」
「みんなが言ってるからってそれが事実だということではないよ」
「じゃあ、あんたが言う事実って何よ?」
ふぅ、ちょっとは落ち着いてくれたかな。
周りも俺らの会話が聞こえてるみたいで、「告白してない?」「なんだよ、ガセかよ」などと言ってるのが聞こえてくる。
「こいつ、どんぐりって!?」
「どんぐりっていうな!」
笑うのをやめて、にやにやしながら、横やりを入れたイケメンを速攻で潰す空手女子。
彼女の前でどんぐりは禁句だっていつになったら学習するんだ、イケメン・・・。