表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/5

もうだめかもしんない

あぁ、空が青いな~

おぉ、もうこんな時間か

今日の昼飯はなんだろうな~


「じゃじゃーん、コンビニお手製からあげ弁当!うまそうですね~」


朝、寝坊して、弁当を作れなかった母から、昼飯代として千円渡してもらった。うちの学校には学食があるのだが、人混みが嫌いな俺は、朝、コンビニに寄って買っておいた。

冷えてるけどうまいのな~。



「あのさ、現実逃避してるとこ悪いんだけど」


そう言いながら、イケメンが空いてる俺の前の席に座る


「やめろ、みなまでいうな」


「勘違いが順調に広がってるみたいだな」



うん、知ってる。

なんか休憩をはさむたびにほかのクラスの人が見に来るし、今も、開け放たれた廊下の窓越しから、たくさんの人がこっち見てるし、中には指さして笑う奴いるし。

まったく、人を指さすなと教わらなかったのかい?


ふぅ、弁当を朝のうちに買っておいて良かった。この状態じゃトイレにも行きづらい・・・



どうしたもんかと頭を抱えていると、ドアが乱暴にあけられる。


「渉!」


入ってくるなり俺の名を呼び、返事はないが、俺がいるのを確認すると、こっちに近づいてくる。

俺は相手の顔を見ずに、応対する。


「今月はいっぱいいっぱいなんだ、他をあたってくれ」


「何の話してるのよ!?」


「ご利用は計画的に?」


「別にお金を貸してほしいわけじゃないわ!」


入ってきたのは、小学校からの友達?である、桃丘沙織だった。


「だったら、何の・・・あぁこの前貸したご飯代返してくれるの?」


「違う!!しかもあれは、あんたの奢りでしょ!」


えー、この前の休日にご飯を食べに行くと、問答無用で連れていかれた挙句、財布持ってないから払っといてと言われ、しぶしぶ払った記憶があるんだけど?

食い逃げで捕まりたくない。


「あ、あれは私の優勝祝いだったのよ!」


彼女は小学生のころから空手を習っている。

闘争本能が強く、負けず嫌いであった彼女は、もともとの才能と、たゆまぬ努力の結果、全国でもトップクラスの実力となり、先日、全国大会3連覇の偉業を成し遂げたらしいのである。


「それはおめでとう、今初めて聞いたんだけどその情報」


「ちゃんと言ったわよ!、・・・たぶん」


たぶんて言っちゃたよ、この人。

それを、にやにやしながら聞いていたイケメンが、会話に入ってくる。


「青春してるね~、デートなんてうらやっ!?」


「でででデートなんてしてない!」


鋭い突きがみぞおちにクリティカルヒットしている。さすが全国1位、見事である。

哀れイケメン、お前の骨は拾ってやらん。バカなことを言った罰だ。


顔を真っ赤にさせて怒っているので、とりあえず話を元に戻す。


「で、なんのようなんだ?」


そう問いただすと、こっちに振り向く。顔はまだ赤いままだ。

激おこなんですね、わかります。


先ほどのやり取りの後なので言い出しづらいのか、口を閉ざしたままだ。


待つこと数十秒、意を決したのか、こちらをきっとにらみ。


「あんた、告白したんだってね!?」


まだ顔が赤い彼女は、大声でそういったのだった。




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ