勘違い拡大
「応援団のだんに、栗、たべるやつね」
「・・・」
うん、だんぐりとどんぐり、似てるよね
小学校の時それでからかわれたことあるよ。
「あぁ、うん、気にしなくていいよ。よく言われるし」
そのために2回言ったんだけどね。
「その・・・ごめんなさい」
「うん、全然いいから、ほんと気にしないで」
周りはいつの間にか静かになってるし、みんなめっちゃこっち見てるし。
冷や汗をかきながら、気にしなくていいと言い続け、席に戻ってもらった。
「すっげー疲れた・・・」
美少女に免疫が無い俺には、ハードすぎる。
というか、人に対してもあんまり免疫ない。
「どしたん?」
にやにやしながら、イケメンが近づいてくる
机に突っ伏して脱力してた俺は、にらみながら答える。
「助けに来いよ。目線送っただろ!」
「いや~、面白そうだなって思ってさ」
セリフの後にてへぺろーって付くような仕草しても、全然萌えねえからな!
あと女子、きゃーきゃーうるさい。
「で、なんの話だったんだ?」
俺が抗議してもまったく悪びれる様子もなく、聞いてくる。
「何で、ど・ん・ぐ・りって呼ばれてるの?だってさ」
何を言っても無駄だと思い素直に答える。
聞き間違えのないように、ちゃんと区切って。
「へ?」
ぽかーんという表現が当てはまる顔のイケメン。
てか、どんな顔してもイケメンはイケメンかよ!爆ぜろ!
イケメンに心の中で悪態をついてると一転して、笑い出した。
「ぷっ・・・ふふっ・・・ははははっ」
三段笑とか、何お前悪者なの?イケメンで悪者とか何ジャンルなの?
「いまさらそこなのかよ!?意味わかんね~」
腹を抱えながらめっちゃ笑うイケメン。
「情報社会といわれる昨今でも、伝達するのに3日かかるんだね俺の情報は」
「いや、ただ単に興味なかっただけだろ」
笑うのをぴったと止めて突っ込んでくる。
そんな真剣な顔して真面目に返すなよ。泣くぞ。
「いや~、珍しく鉄壁さんが声かけてるからなにかと思ったらそんなことかよ~」
「そんなこととかいうなよ」
先祖代々伝わる苗字をそんなこととは・・・団栗の先祖から呪われるぞ。
イケメンに呪詛を呟いてると、またイケメンはにやにやしながら
「お前、クラスのみんなに、鉄壁さんに告って断られたと思われてるぜ、絶対」
爆弾を落とした。