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花宝石の箱庭  作者: 琴花翠音
第一章 神の力を求めて
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風に舞う乙女と小さな闘志

「アール君たちは行ったのね」


 デルフィノのところへやってきたのは、ティティと、彼女の操縦する大花盤の後ろに乗った、リンドだった。敵に囲まれているという緊迫した状況に置かれているにもかかわらず、楽しそうな表情のティティ。どこか余裕に満ちた表情で、妖艶に黄緑色の髪を揺らしていた。


「ここら一帯の集団は、みんな人形なんですって?」

「え? えぇ、まあ…」

「それじゃあ、そのくらいなら私たちだけで済みそうね…」

「は? 何を言って…」

「リンド君、行けるかしら?」

「…はい、合図をいただければ」

「そーこなくっちゃ♪ …リンド君…GO!」


 会話の内容がさっぱりわからないでいるデルフィノを差し置き、ティティはリンドに合図をする。その合図と共に、リンドは大花盤のハンドルを掴んだまま、脚を大きく蹴り上げ、見事な逆立ちの体勢になった。


「!? えっ!?」

「さあ、いってらっしゃーい!」


 相変わらず楽しげなティティ。 一言叫んだと思うと、操縦している大花盤を大きく旋回させた。リンドは逆立ちをしたまま、その旋回の振りを利用して、まるでサーカスの空中ブランコのように体を振って勢いをつける。そのまま、ハンドルから手を離し、宙を舞った。


「リンドさん!? 何を…」

「デルフィノ君、そんな慌てないの~。まあ見てなさいな♪」


 ティティが落ち着くよう促し、デルフィノはリンドの方を見る。すると、リンドはいつの間にか、敵の大花盤の上に降り立っていた。そして、魔力を足に纏わせ、操縦している人形を一撃で粉砕した。 さらに、休む間もなく別の大花盤へ飛び移り、次々に人形を倒していく。


「すごい…」

「リンド君は体が柔らかいから、足場の少ないところでも十分、威力のある攻撃ができるのよねぇ…さぁて、私も負けてられないわね!」

「えっ…ちょっ! ティティさん!」


 デルフィノが止めようにも、彼女は聞く耳持たず。意気揚々と大花盤を飛ばし、操縦しながら敵陣を突破していった。行動こそ派手だが、彼女の戦法にはしなやかさがあり、悔しくも見ていて安心できた。


「…デルフィノ君、そろそろ本体を見つけられる頃じゃない?」

「え…?」


 いつの間に終わったのだろうか。気が付くと、再びリンドを後ろに乗せたティティが戻って来ており、人形のほとんどが破壊され、見晴らしが良くなっていた。その速さにも驚いたが、たった二人だけであの数を相手しても尚、まだ体力が有り余っている様子の二人。デルフィノが呆気にとられている中で、ティティは続けた。


「なんだか、あそこにいる人が怪しいのだけれど…どうかしら?」

「…あっ!? 待て!!」


 ティティの示す方を見ると、慌てて逃げて行く人物が。その姿をはっきりと捉えると、デルフィノもすぐに追いかける。


「先輩! いました! 今、エデンの本部に向かって逃げています! 先輩たちと鉢合わせる可能性もあるので、気を付けてください!」

「わかった。相手は男か?」

「…いえ、後ろ姿を見る限り、女性かと…」

「そうか、了解」


──…急いだ方がいいな…


 デルフィノからの連絡を受けたアールは危機感を覚え、限界まで速度を上げた。

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