人形の刺客
出動してから、どれくらい経っただろうか──…。時間の経過も気にせず、アールはひたすら突き進んだ。すぐ後方には、少し引きつったような表情のキミーが、不本意ながらもアールに追いつこうと必死にそのスピードに食らいついていた。一方で、キミーと共に乗っているセーラは、どこかそのスピードで楽しんでいるように見えた。
「アールくん…! これ、本当に大丈夫なんだよね!?」
「ここまで来ておいて、今更何を言ってるんですか」
「いや…引き返すつもりは無いけど…もう少し慎重な突破口もあったんじゃ…って! アールくん! 前っ! 前!!」
花盤を使い会話をしていると、急にキミーが慌てて前方を指した。示された方を見ると、こちらへ向かってくる大花盤数機が見えた。よく見ると、操縦している者は皆、エデンの制服を身に纏っている。
「…来たか…」
「他のみんなは間に合うのかい!?」
「心配いらないですよ…もうすぐで来ますから。俺たちは、このまま突っ切りますよ!」
「ちょっ…待ってって…!」
「キミーさん早く! 急がないと、向こうからの攻撃が来ちゃいますよ!」
「えぇえそれは困る…! セーラちゃん、掴まってて!」
「はい!」
アールに次いで、キミーの大花盤も再び加速し、エデンの刺客たちの間を突破した。通り過ぎていった彼らに対し、刺客たちが攻撃準備をするも、別の攻撃でそれが阻まれた。後に続いて来ていたデルフィノたちが、タイミング良く到着したのだ。
「先輩!」
「デルフィノ、そっちは任せた!」
「はい! また後ほど合流しましょう!」
刺客をデルフィノたちに任せ、突き進むアールたち。そこへ、さらに新たな集団が向かってくるのが見えた。
「…これはさすがに、任せるには多いな…」
刺客と自分たちの人数を合わせても、半分にも満たないと判断したアールは、少し速度を落とし、剣を片手に構えた。
「…来い!」
剣を構えるアールを見て、刺客の集団も攻撃の準備に入る…が、一瞬にしてそれが阻まれた。そのほんの一瞬の隙に、アールが敵を一掃していたのだ。そして、アールはあることに気付いた。
「…! これは…」
「アールくん…やっぱりさすがだね…」
「デルフィノ! 今相手している奴らはほとんど人形だ。どこかに人形を操っている本体がいるはずだ。注意しろ」
「了解です!」
デルフィノに連絡を入れ、アールはすぐに体勢を整え、再び加速した。キミーも慌てて追いかける。




