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花宝石の箱庭  作者: 琴花翠音
第一章 神の力を求めて
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"庭園"と"楽園"を見定める者

「…なんだかんだ、あなたの計画も司令官にとっては想定内だったようね」


 出動準備に取り掛かっていたメリヴァが、小声でアンジュに言った。アンジュも困ったような笑みを浮かべた。


「少し驚きました…それだけ、ガーデン全体を見ている、ということですね…」

「そうね…私たちが何者なのか、それももう勘付かれているんじゃないかしら?」

「そうですね…でも、最終的に明かすことでしたし、セラヴィさんなら信じられますから、そんなに困らないです…」


 そう言って、自分の武器である水晶玉を取り出し、覗いた。水晶玉は、彼女が過ごしていた小屋の中にあったものと同じ外見。違いとしては、手に収まるほどの大きさである、ということだった。

 水晶の中で、半透明な硝子の白薔薇が、柔らかい光を反射していた。


「…さ、そろそろ行きましょう。もうすぐ出動だわ」

「はい、行きましょう」

「力の使いすぎで倒れないでよ?」

「メリヴァさんも…気をつけて」


 制服を整え、二人は出動口へ向かった。そんな彼女たちのやり取りを、息を潜めて見ていた者が居たことに、当の二人は気付いていなかった。二人が見えなくなった後、うっすらと笑みを浮かべ、花盤で誰かに連絡を入れた。


「…動き出した。10分後には、そっちに到着すると思うぞ」

『ふっ…わかった。楽しみにしているよ』


 男は花盤をしまうと、影に隠れるように、静かにその場を後にした。そして、あたかも仲間であるように、紛れ込んでいくのだった。しかし、今の男の行動に、メリヴァはようやく気付き、アンジュにも警戒するよう言った。


「"楽園"…ね…よくもまあ、そんな大層な名前にしたものね。楽園の本来の姿を見てから、名乗って欲しいものだわ…」


 誰に言うでもなく、独り言として、ぽつりと呟いた。そして、軽やかに大花盤に乗り込むとアンジュの後を追って、敵の本拠地へ向かった。

 女神を取り返す為に、"庭園の守り人"が一斉に動き出した。


 その後に、セイロンが息を切らしながら二人がいた場所に着き、辺りを見回した。誰もいないことを確認すると、膝に手をついて息を整えた。


「くそ…っ見失ったか…あいつは一体、何を考えているんだ…!」


 悔しそうに呟くと、すぐに気持ちを切り替え、来た道を戻っていった。その後方で、既にこの場を離れたと思われていた、セイロンが探していた人物が、彼を見据えていた。行動の読めないこの人物…何を企んでいるのか、それはまた、しばらく先の話である…──

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