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夜会1

荘厳な装飾が施されたそこは、酷く大きかった。

圧迫感を感じさせないように天井は三階までの吹き抜けになっている高さである上、見上げると蝋燭の揺らぐ光だけでも繊細な天井絵がよく見えた。


広さも大勢を招待しダンスパーティを開いたとしても余りあるほどだ。そこは、羽音ひとつなく、しんと静まり返っていた大広間だった。自分が吐き出し空気を吸い込む音が耳元まで届き、耳を澄ませば心臓の鼓動、むしろ皮膚の下でほとばしる血の音さえ聞こえる気がした。


私は大広間の奥にあった2つ段が設けられた所に設置されていた玉座に腰を下ろしている。


身に付けた黒い重厚なマントは裏地が赤くいつものマントだとふいに気がついた。

大広間全体を俯瞰できるそこから、ほの暗い光の中、玉座の遥か前で剣を握った影を見つけたが人影は色も顔も持たない影法師であった。ふよふよと不規則に海をたゆとう月のような影法師。

その身に持つ銀色の剣が暗がりの中キラリと反射して眼が眩む。


眩んで眩んで眩んで。周りが見えない恐怖で玉座から立ち上がり逃げ回ることすらできず。

ただ眩む瞳を見開いてじっと見ている。どこをと言われても、どこでもないと言うざるを得ないなにかを。

じっと慄きつつも、眩んだ瞳を見開いて見ている。


そう、私に向かって剣を振り落としたその瞬間も私は、見て――



「っ!!!」



叫び声をあげそうになった瞬間に、ぱっと目が見開いた。激しい動悸に呼応した荒い息をふあっと吐くと深紅の趣味の悪い色が視界に飛び込んでくる。見なれた天井にシーツ、クローゼットやカーテンへ視線を走らせ確認してから私は首筋に垂れた不快な汗を裾で拭いながら大きく息を吐いた。



「ゆ、め・・・」



ただ見ていた私と振り翳された銀色の剣。


鮮明と蘇る夢の内容に思わず鳥肌がたった腕をこすり深呼吸をすると身体が和らいだのに気がついた。

どうやらだいぶ力が入っていたようだ。見慣れた光景にふっと安堵して。


―――・・・・・・安堵して?



そこまで思って私は掌で目蓋を覆い隠し、「あーー」と意味もなく喚いた。


肺に溜まった空気を無意味に吐き出し、そしてまた吸い込み意味もなく喚くを幾度か繰り返し、大理石でできた洗面所で顔を洗いカーテンの傍にある椅子に腰掛け顔を覆った。



「ああもう、なんで安心してんの」


そう、ここは魔王城。私の本当の居場所じゃない。ただの仮初。だからこの光景に安堵したらダメ。

ここに慣れきってしまったら。知らない間に内に入れてしまっていたら、ダメ。


自分に言い聞かせるように何度も口に出して繰り返した。口で、耳で言い聞かせる。まるで、言霊を使った洗脳のようだと思い不意に笑ってしまったがそれでも私には必要なことだった。


この世界の異物であり続けなければならない。

もしもこの世界に溶け込んでしまったら。元の世界にはきっと、帰れない。


だから私はどんな手段を使っても日本にいた頃の『私』であり

続けなければならない。


私は、この世界が創り出した予定調和の外にいる異物であり、運命に定められている未来を崩すバグ、ウイルスであり。

そう、つまり、この世界においての私は――


「たった一つの、エラー」


なのだから。





~それいけ魔王さま!~







紫がクルミをあの古い塔に移したらしい。

あそこは元々魔そのものが近寄らないから、外で羽を伸ばすこともできると思う。前にこっそり見に行ったら紫と内界の暮らしについて真面目に勉強していたから邪魔をしないように帰ったけれど、相変わらず元気そうな様子でほっとした。



背筋を伸ばしてくいっと顎をひく。



年嵩の侍女頭の悪魔がいつもとは違う黒がかった紅色のマント―闇紅色―を肩にかけ金糸で結われた紐を留め金に何度も巻き付けていった。


裾には柔らかいファーが広がっている。マントと同じ色のファーから視線をあげると、硬くて力が入ってしまっているのか侍女頭の手が白くなっている。


見た感じ初老を迎えている彼女にはこのごてごてした儀式用の装束を着付けるのは大層骨を折る作業なんだろう。おばあちゃんな

のに。しかも一人でやって・・・ちょっと可哀想になってしまう。


ここまで着付けてもらえば後は留め金に巻き付けるだけだし、とはいえこの作業は見た感じ力がいるから おばあちゃんにはキツイだろう。でもこれだけの作業なら私にもできるだろう。不格好だったら銀とかに直してもらえば良しだ。



「もうよい」


「も、申し訳ございません。なにか不手際がございましたでしょうか」



紐へかけられた手が離され、ばっと頭を下げられてしまい私はわたわたしてしまった。

はるか年上の人に頭を下げさせちゃうとか!!おばあちゃんは悪いことなんもしてないんだよ!

ただなんかキツそうだからもういいよってだけで。誤解を解かなければ!!



「なぜ謝る」


そして真意が伝わるように未だに見つめた。やはり疲れているのだろう。

頭を下げ続け微動だにしない侍女頭の頭頂部は艶やかなな白髪で染まっていたが、どこかくたびれたように見えた。早く休ませねばなるまい。


これくらいの年を食うとほんの些細なことでポックリ行ってしまうかもしれない。

それは後味悪すぎて思わず口元がひきった。



「兄には最早重荷であろう。さがるが良い。否、さがれ」


そして休んで下さい。

心の中でそう付け足すと、侍女頭は気品ある綺麗な一礼をしてから室を退出した。

肩を落としていた後姿に隠しきれない疲労を感じ心許なくなっていると銀が入れ替わるように室を訪れた。

銀はこちらに顔を向け下から上へと視線を滑らせる。



「御召し替えなされたようですね」


「とかいうそっちもね」


「ええ」



私の言葉の通り銀の服装もいつもの簡素なローブ姿ではなく儀礼用の軍服と薄手ながらも上品な濡れ鴉色のマントを纏っていた。

漆黒の軍服には白銀の繊細な刺繍が散りばめられ幾つものエンブレムが胸元で輝き上品な仕上がりとなっている上、漆黒に銀色はよく映えた。


洗練された着こなしに涼しげな目元が今日はどこか優雅ささえ感じられる。

その目元がふいに私の胸元で止まった。セクハラか、と突っ込む間もなく次いで伸ばされた手は金紐を摘み留め金へとかけられた。あ、黒い手套してる。



「なぜ途中までしか留めてないんですか」


「あー、いやなんか自分でもできるしって思っちゃってもう良いかなあみたいな?」



私の台詞を右から左に流しつつ銀はマントの留め金に手をかけ次々ととめていった。というか。


「今更だけど、なんでこんなん私が着なきゃいけないわけ」


「夜会があるからです」


「・・・ちょっと待てっ!」


ぱっと留め金にかけられていた銀の手をマントから外そうと右手で銀の手首を掴んだ。ぎりぎりと力を込める。



「夜会?聞いてないよそんなの!!」


「お伝え致しましたが?」


「いつ!?絶対言ってなかったよ!!」


「茶会の予定を他に替えると私はお伝えし、それに対して魔王さまも頷かれたではございませんか」



ぎりぎりと締め上げてるのに顔色一つ変えずにけろりと宣った銀にさらに力が手に篭る。確かに言ってたさ!確かに頷いたさ!



「だけど夜会だなんて聞いてないっつうの!!」


「確認しなかった魔王さまの非ですよ」



地団駄を踏みつつムキーと喚く私にやれやれと肩をすくめた銀の様子になんだか馬鹿らしくなってしまった。

こいつにどんな言葉を放っても夜会から逃れる術はもはやないに違い無い。そういうパーティとかを辞退できていた今までがある意味奇跡だったのだろう。


ことあるごとに臣下たちからパーティでてくれよ的なこと言われてたし。女は度胸だ。多分椅子に座ってぼけっとしてれば良いんだろうし。そこ考えると大して苦労も無さそうだと判断し今まで銀の手を掴んでいた自分の手を諦めたように離す。



「魔王さまは玉座に御座りになられているだけで宜しいです。私も先導警士として御側を離れることはございませんし、なにかありましたら此方で対処させて頂きます」



そう言いながら、私の黒マントの金紐を留め金にかけ終えた銀は一歩離れたかと思うと全体を確認し満足したのか一度頷いた。



「よくお似合いです」


「似合いたくないんだけど」



間髪いれずに答えてやった。間髪いれずに答えてやった。大事なことだから二度いった。

似合わないよりは似合うと言ってもらいたいが、これだけは気持ちの問題から考えて嬉しく無い。全くもって。


ベール越しにぎろりと睨んでみるが全く効果はないようだ。

効果がないどころか銀は気にもとめずにいつも通りの口調で後で迎えに来きますとだけ言って部屋を出て行ってしまった。

え、私このあと何して待ってりゃいいわけ?










ぱたんと背後で扉が閉じる。


銀は脳内で夜会のスケジュールを確認しながら長い廊下を進んだ。


この階は魔王や上級管理職の執務室など多く集まっているため滅多に魔族たちは通らないが今日はどこか人通りが多かった。とはいえ、場所が場所だからか通る侍女や侍男たちは洗練された者達ばかりだったが。


彼らは銀に眼を止めると一様に足を止め頭を下げた。

頭を下げられることが一種のステータスだと考えている役人も中には多くいたが、銀はそういうものには興味がない。

歯牙にもかけず一定の早さで壮麗な廊下を進み何個目かめの階段を降ると一つの部屋に滑り込んだ。



なんてことはない客室で、銀色の瞳をふいに細めたかと思うと、銀はおもむろに手につけていた黒い手套の人差し指の部分を口で咥え脱がした。


手の甲にうっすらと滲む赤い色。やはり、ですか。



「あーらら。やっぱり血出ちゃってますね」


ふいに手元が陰り、顔をあげるとぶらんと編み込まれた髪が視界に入ってきた。コーラル色の瞳は銀の手の甲に刻まれた傷を覗き込んでいる。それをじとりと睨めつけた。



「なんのようですかコーラル」


「いやァ、魔王さま見るからに爪立ててたからさ。銀の旦那ダイジョーブかなあって心配したわけよ」



だからそのうざそうな眼で見ないで!

と続けざま宣ったコーラルを冷めた眼でちらりと見てから銀はうっすらと浮かんだ手の甲の血を舐めとり逆の手をその上に翳した。


確かにこの傷はコーラルの言うとおり彼女が夜会に出たくないと金紐を留めていた手を捕まれ抵抗されたときにできたものだ。

普通の感性の持ち主ならば腹が立つ所だろうが、このときの銀は一種の感慨を受けていた。

そう、まるで歯が生えそろえ始めたばかりの子犬がむずがって噛み付いてきた時のように、その成長を。



彼女は人間だ。どこにでもいるような人間。しかし、人間は人間だけれども、異世界のと始めにつく。

異世界から此方へと引きずり込み魔王としての教育を手ずから施した、そんな人間。


ぽわんと温かい光が掌から手の甲に降り注ぎ、ゆっくりと傷が修復されていく。彼女がつけた、傷が。




―――私はっ、傷つけられたくもない、傷つけたくも、ない!!




模擬刀を握りしめ泣きながらそう叫んだ彼女。

彼女は毎回、傷を作りながら甘いことばかり言って泣きじゃくっていた。


傍目も気にせず泣きじゃくる姿が年端のいかない子どものようで内心呆れ果てつつも、それを慰めも詰りもしなかった。

ただ、じっと見ていた。泣いて気が晴れるなら。一時でも逃れたい現実から逃れられるなら、好きなだけ泣き喚けばいいと考えながら、どこか自分の奥底にあった苛立ちを押し込めて。


じっと見ていた。ちっぽけで反吐が出るくらい甘い異世界の泣き虫を―――



物思いに耽る銀をコーラルが見ていることには気がつかない。





―――私はっ、傷つけられたくもない、傷つけたくも、ない!!


素直なことだと嗤ったのは紅だった。

逸らすように瞳を伏せたのは薄紅だった。


じっと見下ろしたのは・・・私。


慮る必要などなかった。否、することができなかった。

慮れば慮るほどきっと自分は、彼女にしたことを悔いねばならなくなることを無意識に深層で分かっていたから。

しかも、それは自分の正義を断罪することと同義だったから。



自分の正義を貫くために彼女を此処に引きずりこんだ。


自分の正義のために家族を捨て、友を裏切った銀は悪役にもなる覚悟をすでに持っていた。

たった一人の人間を切り捨てることなど、もはや造作もない。情より優先すべきは、己の正義―

だから泣きじゃくる彼女をただ見ていた。見ればみるたび、しゃがみこみ震える背中がどうしても小さく見えて。


ふいにそれがフラッシュバックして。



―――そうだ・・・



はっと銀はその一瞬で初めて気がつく。泣き虫な彼女は、



「いつから、泣かなくなった?」



思わずぽろりと口を出た言葉に無意識に口元に手を当てるとコーラルが瞬いて首を傾げた。それを見て自分の失態に気がついた銀が内心舌打ちをして話を逸らそうと画策するまえにコーラルに先手をうたれた。



「え、銀の旦那ってば泣き虫だったの?」


「違います」


「冗談ですって」



へらりと笑みを浮かべるコーラルへ銀色の視線を向けすぐにそらした。

手の甲の傷が完治しているのを確かめ、掌から溢れていた光を消し去り部屋をあとにしようと身を翻すとコーラルに「ね、銀の旦那」と呼び止められた。


いつもは気にもとめず歩き出すが今回だけ胸騒ぎがして足を止め、振り返ると漆黒のマントが揺れた。



ほのかな月光が射し込む窓を後ろにコーラルの影が密やかに絨毯を陰らせる。コーラルはいつも浮かべている半笑いを引っ込め真正面から銀を見据えた。逆光にもかかわらず煌いて見える真摯な瞳に自然と対峙する。



「俺はさ、銀の旦那の優しさってやつ分からないし、こんな仕事やってっからあんま雇い主と対象者の関係とかに口挟める義理ないんだけどね。銀の旦那はさ、結局どっちを選ぶの?」


コーラルの言いように銀は眉を不快げに跳ねさせたが、その言を止めることはしない。月光射す裏側。逆光による薄闇の中、いつものおどけたような雰囲気が嘘のように消し去しさられたコーラル色の瞳に鋭い何かの光が迸ったようにどうしてか見えたから。

だが、押し黙った銀にコーラルはへらっとサングラスの奧の瞳を緩ませ笑った。



「ま、どちらにせよ貰ってるお給料分はきっちり影から働かせてもらうから安心してね銀の旦那」


「・・・あたりまえです。これも頼みますよ」



銀は一度息をつき、投げた。

ぱっと漆黒の軍服のポッケから放り投げされた物をドヤ顔をしていたコーラルははしっと片手で掴んだ。

しげしげと見下ろすとそれはピンクの色をした液体が入ったガラスの容器だった。ピンクの液体のなか、こぷりと空気があがってコーラルは小首を傾げてああっと合点がいきニヤリと笑った。



「え、なにこのドピンク。あ、媚薬?なに銀の旦那ってば俺にこれ使えっていうこと?俺まだこういうの無くても充分楽しめるのにィ」


「前々から思ってましたがあなたは品が無いですよね」


「ちょ!男に生まれたからにはそーいう行為を楽しむのが醍醐味ってやつでしょ!むしろ義務ですよ義務!!」


「そのような話を人前でするのが品が無いと言っているんです。それと、その瓶の中身は媚薬ではなく自白剤ですから」


「えぇ!!」



さらりと言った銀にコーラルはぎょっと顔をこばわらせ、思わず瓶を持っていた手を顔から遠い所に伸ばし逆の手で鼻をつまむ。



「ちなみにこれ作ったの銀の旦那?」


「いえ。魔女に作らせました。効果はよっぽど私が作るより良いものです」


「うわー。前言ってた通り本当にこんなゲキブツ作らせたわけね。・・・さってとお給料分さっそく働かなきゃねー」



じゃ、とあっけからんと笑顔で片手をあげたと思ったら客間には銀しか佇んでいなかった。

先ほどの騒々しさがまるで蜃気楼であったかのような静けさだ。


ふっと視線を窓の外へと向ける。


視線の先の窓から射し込む月光は、部屋に闇色の影を散りばめさせてひっそりと柔らかい光を零し輝いていた。銀の足元から伸びた一人分の影に視線を落としたかと思うと、ふいにコウモリが肩に降り立った。


コウモリからは紅の声が響く。どうやらコロシアムで大会がおこなわれるとの情報を手に入れたようだ。聞くにつれ銀の眉間に皺がくっきりと刻まれていく。



「・・・なんて愚かしいことをしてくれたんでしょうか」


ぽつりと悪態をつきつつ、裾から銀製のナイフを取り出し報告を終え机の上で羽を休ませていたコウモリに突き刺した。



「違法化された遺産の在処を見つけ出すだけでなく、あまつさえ大会をおこなうだとは。やってくれますね」



ギ、と声をあげたコウモリは一瞬でひび割れ、さらさらと砂になって机に零れ落ち形をかえた。人差し指を横へと揺らすと砂になったコウモリの残骸が青い炎で燃え上がる。


コロシアムで大会を開くということは銀にとって酷く腹立たしいことだった。むろん封じられた遺産が与り知らぬ所で勝手に使用されているということが腹立たしさを増させた一つの理由であったが彼の怒りの源にあったのはまた別のものだった。



その源は、いわゆる信念、正義と呼ばれるもの。

それを貫くために色々なものを今まで道端に捨ててきた。そしてこれからも。


それが同族だろうが関係ない。シビアだと言われようとも枷になることだけは許さない。異世界の彼女ですら例外ではない。



もとより地なりを確固たるものとするために魔王さまを言いくるめ夜会へと出るように仕向けていた。



魔王さまが夜会にお出になる。


これだけで夜会そのものに付加価値が付くのだ。つまり日頃、夜会に参加せぬ上級魔族たちも顔を出さざるを得なくなるのだ。理由の如何を問わず魔王城へ登城しない魔族たちも今日こそは来る。初となるお披露目だから。


刑部尚書として極秘に事態にあたった紅の予想通り銀も、封じられたコロシアムを見つけ出し情報を漏らすことない状況を鑑みると、発掘の為の人員、コロシアムについての知識、情報の隠匿など高度な知識や莫大な費用、人脈を前提にしなければならない。


そう、つまりはそれを賄えるだけの資産を持つ者であるということだ。



―――流石に今回のことは腹に据えかねた


たとえ黒幕が貴族達や成金であろうと。





「今宵の夜会で全て引きずり出してさしあげましょう」





燃え散る青い炎が銀色の双眼に反射して暗い部屋のなか銀を青く浮かび上がらせた。

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