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9ー11 花飾り

 9ー11 花飾り


 あたしたちは、久しぶりにミルカリアの街に戻った。

 騎士団の調査の結果、あたしに非はなしとされた。

 ただし。

 世界の4つの柱の内の1つである南の騎士の座を叔父さんが引き継ぐことと引き換えに、だ。

 そして、あたしは、『西の魔女』の預かりとされた。

 つまり、このままミルカリアの街で暮らすことを許されたというわけ。

 しかし、ミルカリアの街を出るには、王家の許可が必要となった。

 叔父さんは、ミルカリアにある叔父さんの屋敷とカリスプールの街の城を空間魔法で繋げて今まで通り屋敷で暮らしながらカリスプールの街を治めることにした。

 そういうわけで。

 あたしは、魔法学園に戻ることができた。

 学園は、ちょうど学年末の試験前で!

 優等生のメイアは、ともかくあたしは、落ちこぼれ確定という感じ。

 最悪、1年生をもう一度繰り返すことになるかも。

 と思っていたら。

 学園に戻ったあたしを待っていたのは、地獄のようなアンナさんとマリカさん、それにグリエ君による放課後個人授業だった。

 「みんなで一緒に2年生になるためにわたしたちは、鬼になることを決意したの!」

 とは、アンナさんの言葉。

 みんなは、それぞれ手分けしてあたしのために授業内容をまとめてくれていた。

 そんなみんなのおかげであたしは、なんとかぎりぎりで落第を免れた。

 学年末には、学園主催の舞踏会が開かれる。

 みな、誰をエスコートするか、されるかで浮かれていた。

 あたしは、叔父さんにエスコートして欲しかった。

 でも。

 婚約者であるグリエ君にエスコートしてもらわないわけにはいかない。

 男子生徒は、エスコートする女子生徒に花飾りを渡すことになってる。

 あたしは、グリエ君が用意してくれた金色の珍しい花を加工して作られた花飾りを贈られた。

 それは、グリエ君の髪の色の花だ。

 そして。

 花を取り囲むように配された青い宝石には、付与魔法がかけられている。

 この花飾りは、グリエ君が造った魔道具だった。

 「チカのために」

 グリエ君があたしに告げた。

 「君が幸いであるように祈りをこめて造ったんだ」

 それには、あたしを守護するための魔法と魅了の魔法が付与されていた。

 魅了の魔法とは、その魔道具を身に付けた者がより魅力的に感じられるというものだ。

 「僕にとっては、チカが世界で一番魅力的だから」

 グリエ君は、臆面もなくそんなことを囁く。

 あたしは、顔が熱くなった。

 ほんとは、グリエ君からの花飾りを受け取ることには抵抗があった。

 あたしは、もう、自分の気持ちに気付いてしまったから。

 あたしは、叔父さんが一番好き。

 その気持ちは、ごまかすことができない。

 叔父さんも。

 たぶん、叔父さんもあたしのこと好き。

 だけど。

 この国で生きる以上、グリエ君との婚約をあたしから破棄するわけにはいかない。

 それにグリエ君には、あたしとの婚約が、というか、叔父さんの後見が必要だ。

 「君が誰を愛していても僕の気持ちは変わらない」

 グリエ君は、あたしに花飾りを渡すときに告げた。

 「君が誰を愛そうとも、僕は君を愛し続ける」

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