7ー8 お菓子
7ー8 お菓子
収穫祭が終わるとミルカリアの街に冬がやってくる。
あたしたちは、学園の期末試験で忙しかった。
あたしは、魔法とか数学とかはそこそこの成績を狙えそうなんだけど、剣術と歴史が苦手。
特に歴史は、まったくわからない。
だって!
この世界の歴史なんてほぼほぼ聞いたことがないんだから。
覚えようとするはしから記憶があやふやになっていく。
だいたい歴史の教科書の始まりが創造神の話から始めるなんて、ありなの?
もとの世界で言うならブッダとかキリストの話で始まる世界史なわけ。
ほんと、ついていけないし!
まだ、1年だからましなのかも。
2年からは、魔族や使い魔、それに幻獣の話も始まるらしい。
つまり、あたしたちの生活に身近な存在である魔物の話が聞けるわけ!
この世の全ての生き物は、人間も含めて魔素によって成り立っているんだって!
中でも幻獣は、魔素でできているだけじゃなくて魔素を発散しているんだとか。
あたしは、試験勉強のためにマリカさんとアンナさん、それにメイアと一緒に学園の図書館に来ていたんだけど1時間も集中してると頭がぐるぐるなってくる。
「ちょっと休憩しない?」
アンナさんの提案であたしたちは、魔法学園の食堂にあるカフェに行くことにした。
カフェであたしたちは、焼き菓子とお茶のセットを注文した。
今日の焼き菓子は、ビスケットみたいなお菓子だ。
摘まみながらマリカさんがため息をつく。
「どうしてもお菓子は、もとの世界の方がおいしいかな・・」
あたしは、ペンのおかげでもとの世界のお菓子も手に入れられるから時々マリカさんにも分けてあげているんだけど、なんとかしてこういったものをこっちの世界でも作れないものかなって話になった。
でも、あたしもマリカさんもお菓子のレシピなんて知らないし。
「作り方を知らないならそのお菓子を調理人に食べてもらって再現してもらえば?」
アンナさんの言葉を聞いてあたしとマリカさんは、顔を見合わせる。
それもそうかも!
それからあたしたちは、普通クラスの校舎の使われてない部屋へと急いだ。
「ここなら誰もこないわよ」
アンナさんがあたしを急かす。
「ねぇ、早く出してみて!」
あたしは、ペンを取り出すと空中に『お菓子』と書く。
すると。
駄菓子やらスナックやらが天井から降ってきた。
袋に入ったお菓子の山にアンナさんとメイアは、目を丸くする。
「異世界には、こんなにいろんな種類のお菓子があるの?」
それからあたしたちは、炭酸飲料とかの飲み物も出して、そこでちょっとしたパーティーを開くことにした。
アンナさんが実際に味見してから再現してもらうお菓子を決めようとか言い出したからだ。
「これ!さくさくしておいしいわ!」
アンナさんがスナックの袋を抱えて止められない止まらないって感じでパクついている。
メイアも黙々と食べていた。
あたしたちは、話し合いの結果、ポテトチップスを再現してみることにした。
これなら、この世界の材料でも作れそうだし、再現するのも比較的簡単そう。
「兄さんに頼めばすぐに作ってくれるわ!」
というアンナさんの言葉通りにヨゼフさんは翌日にはポテトチップスを再現してくれた。




