6ー1 デューラ・ダンジョン
6ー1 デューラ・ダンジョン
あたしたちの学年のデューラ・ダンジョン演習の日がやってきた。
ミルカリアの街から歩いて1時間半ほどのところにあるデューラ・ダンジョンまでは、徒歩で行くことになっていた。
なんでも徒歩で行くことも鍛練のうちらしい。
もしかしてこれって、ほんとに遠足なんじゃない?
ダンジョンまでの移動は、班ごとになっていてこれもまた評価の対象になる。
あたしたちは、女子は、赤いジャージ、グリエ君だけは青いジャージ姿でそれぞれリュックを背負って歩いていった。
周囲の生徒たちは、あたしたちのことを興味深そうにじろじろと眺めていた。
まあ、これならジャージの宣伝の役目は十分に果たしているかな。
しかし、あたしとマリカさんとアンナさんは、体力がなくて。
他の班の人たちにどんどん置いていかれてしまって。
あたしたちがデューラ・ダンジョンに到着したのは学年で最後の方だった。
というか、完全にビリ?
デューラ・ダンジョンの外で待っていたミランダ先生たちがすっかり呆れた様子であたしたちを見ていた。
「あなたたち!もうちょっとがんばらないと単位がとれないわよ!」
「「はーいっ!」」
あたしたちは、いいお返事をしてからダンジョンに入っていく。
装備とか、服装とか、他の班の人たちに比べるとあたしたちは、軽装に見えていたからミランダ先生たちもちょっと心配そう。
でも、大丈夫!
あたしたちがそれぞれ担いでいるリュックは、実は、マジックアイテムだ。
ヨゼフさんとグリエ君が作ってくれた空間魔法を応用した鞄は、見た目よりずっとたくさんの物が入る上に軽いのだ。
あたしたちは、デューラ・ダンジョンの入り口辺りでリュックを下ろして装備を整えた。
ジャージの上から魔物の革製の胸当てをつけ、腰に短剣をさす。
とはいえ、前衛として戦えるのはメイアだけなんだけど。
あたしとマリカさんとアンナさんは、ほぼほぼ戦力外だし!
グリエ君は、一応、長剣を帯刀している。
本人いわく、これでも貴族家の令息なので幼い頃から剣の鍛練はしてきた、とのこと。
というわけで前衛は、メイアとグリエ君に任せてあたしとアンナさんは、2人が倒した魔物から魔石を取り出したりする回収を担当することになった。
もちろんマリカさんは、治癒担当。
こうしてあたしたちのダンジョン演習が始まった。
ダンジョンの中は、石の壁の所々に魔道具のランタンがかけられてはいるが薄暗くて怖さが倍増している。
ほんとメイアとグリエ君がいなければあたしたち、一歩も進めなかったかも。
2人は、次々と現れるスライムを倒していく。
このデューラ・ダンジョンは、どちらかというと水属性の魔物が多いダンジョンなのらしい。
スライムたちは、メイアとグリエ君に剣で切りつけられるとぷしゅっと水風船が割れるみたいに爆発して消滅する。
後に残された小さな魔石をあたしとアンナさんが集めて回るわけだ。
マリカさんは、最近覚えたという障壁魔法であたしたちのことを守ってくれている。
あたしたちが探索を許可されているのは、2階層の辺りまでなのでそこらにスワロウ先生がいて生徒がその先に進むのを防いでいる筈だ。
あたしたちは、順調にダンジョン内を進んでいっていた。
「だいぶ魔石も貯まったわね!」
アンナさんが魔石を入れている皮袋をじゃらじゃらいわせて微笑んだ。




