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5ー1 鍛練

 5ー1 鍛練


 鍛練場に入っていったあたしとメイアとマリカさんは、みんなの好奇の視線に驚いていた。

 生徒たちは、男女問わずあたしたちのことをじっと見つめていた。

 小声でなにやらぶつぶつと話している者もいる。

 「なんだ?あの服は」

 「まあ、動きやすそうではあるかな?」

 「でも・・ちょっとハレンチじゃないか?」

 「静かに!」

 鍛練の先生らしい薄い白いシャツを着て胸元を広く広げてたくましい筋肉を見せびらかしている若い男の人が声を張り上げる。

 「そこのお前たち!鍛練着は、もっと頑丈な服でないと剣先を防げないぞ?」

 「でも、模造剣ですよね?」

 あたしは、反論した。

 「なら、この服でも大丈夫です!なんならこの服の上から防具をつければいいし」

 「防具?」

 先生が眉をひそめる。

 「そんなものは用意してないぞ?」

 「大丈夫です。ありますから!」

 あたしは、ポケットに忍ばせていたペンでそっと防具を出すとメイアとマリカさんに渡した。

 「まあ、それならいいか」

 先生は、納得すると授業を始める。

 あたしたちは、先生の話をききながら防具の革製の胸当てを身に付けた。

 姿を消していた筈のダルメスがあたしの肩にのると口を挟む。

 『剣の鍛練などせぬとも我がしっかりお守りするが』

 「これは、学校のカリキュラムだからね。参加することに意義があるんだよ」

 あたしが囁くとダルメスがため息をついて姿を消した。

 先生は、あたしたち生徒全員に模造剣が行き渡るのを待ってからみんなにすぶりをするように命じた。

 メイアも他の生徒たちも軽々とすぶりをこなしていたがあたしとマリカとアンナさんは、剣を持ち上げるのもやっとで。

 それを見た剣術の先生は、困ったような顔をしてあたしたちを見ていた。

 やばい?

 なんか嫌な予感がするし!

 案の定、すぶりの後で先生は、あたしとマリカさんとアンナさんだけ他の生徒と別メニューにすると言い出した。

 というわけで。

 メイアたちが剣の鍛練をしている間、あたしとマリカさんとアンナさんは、基礎鍛練をすることになった。

 それは、体力をつけるために剣のすぶりをしたり、鍛練場の周囲を走ったりするというメニューだった。

 「あたしとマリカは、ともかくチカが別なのはおかしくない?」

 アンナさんが小声で話した。

 「だって、入学試験のときあの剣聖スワロウ・ローゼスに勝ったのに!」

 「あれは、まぐれだから!」

 あたしは、アンナさんの言葉を否定する。

 だって!

 ほんとによろよろしてたら偶然に剣が当たってそれで相手の剣が折れちゃっただけだから!

 完全に偶然の結果だし!

 「でも、剣聖をまぐれで倒せるんですか?」

 マリカさんがあたしにきくのであたしは、きっぱりと言いきった。

 「そういうこともあるんだって!」

 軽いランニングの後は、すぶり。

 でも、あたしたちは、まともに剣も持ち上げられないほど非力で。

 「とにかく、お前たちは、すぶりがちゃんとできるようになるまでは別で鍛練するように」

 授業の終わりに剣の先生に言い渡された。

 

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