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4ー10 万能薬

 4ー10 万能薬


 「ほんとは、剣か魔法が得意な子がよかったんだけど」

 アンナさんが肩をすくめる。

 「でも、錬金術が使えるならいいかも」

 あたしたちの班の5人目は、グリエ君となった。

 「よろしくね、グリエ君」

 あたしが手を差し出すとグリエ君がおずおずと握手する。

 「こちらこそ、よろしく」

 ぎゅっと握られた手が一瞬、ぴりっと電気が走るみたいに痺れるのを感じてあたしは、ぱっと手を離した。

 「どうしたの?チカ嬢」

 グリエ君が目を丸くしてあたしを見ている。

 あれ?

 あたしは、首を傾げた。

 気のせいかな?

 「班が決まったら授業を始めるぞ!」

 スワロウ先生がみんなに告げてそれぞれが返事を返して自分の席に戻る。

 あたしたちもみな、自分の席へと戻った。

 席に戻ってもあたしは、さっきのことを思い出して自分の手のひらを見つめていた。

 「どうしたんですか?チカ様」

 メイアに聞かれてあたしは、頭を振った。

 「なんでもない」

 

 あたしたちは、午前の授業がすんだ後、食堂で一緒に昼食を食べることにした。

 希望すれば個室を使用することができるのでアンナさんが手配してくれる。

 丸いテーブルを囲んであたしたちは、席についた。

 新しい班のメンバーであるグリエ君も誘っているのでまずは、それぞれが自己紹介することにした。

 アンナさん、マリカさん、メイア、あたしと順番に自己紹介していく。

 最後にグリエ君の番になった。

 「グリエ・クリスタ子爵令息です。特技は、錬金術。後は、氷魔法が使えます」

 「氷魔法?」

 アンナさんが驚いた顔をする。

 「氷魔法って銀髪の人が多いんじゃないのかしら?失礼だけどあなたは、その・・金髪よね?」

 「そうなんだけど」

 グリエ君が口ごもる。

 「僕の両親は、銀髪で・・僕だけ祖父に似たみたいで金髪なんだ」

 「そうなの?」

 アンナさんが首を傾げる。

 「でも・・金髪ってまるで王族みたいね。まあ、王族の金髪は、もっと豪奢なイメージだけど」

 「そんなことないよ」

 グリエ君がひらひらと手を振る。

 「王族以外でも金髪はいるし」

 「まあ、そうね」

 あたしたちは、昼食を食べながら1ヶ月後のダンジョン演習のことをいろいろ話し合った。

 ダンジョン演習は、毎年新学期の始めの頃に行われる行事だ。

 ミルカリアの街の近くにあるデューラ・ダンジョンに学年ごとに日帰りで訪れて探索したり、ちょっと魔物を狩ったりするんだとか。

 なんとなく遠足感覚?

 アンナさんがいうには、デューラ・ダンジョンは、レベルFのダンジョンで初心者向けなんだって。

 魔物もスライムとか飛びウサギぐらいしか出現しないらしい。

 「ダンジョンかぁ」

 あたしは、なんだかわくわくしていた。

 でも、マリカさんは、心なしか顔色が悪かった。

 「あの・・魔物を殺したりするんですよね?」

 「そうだけど」

 アンナさんがマリカさんを心配そうに見つめる。

 「もしかして異世界にはダンジョンがないの?」

 あたしとマリカさんは、こくりと頷く。

 アンナさんは、興味深そうに目を輝かせる。

 「ダンジョンがない?なら、どうやって万能薬とかを手に入れてるの?」

 「あたしたちがもといた世界には万能薬なんてないわ」

 あたしが話すとアンナさんとグリエ君、それにメイアまで驚いている。

 どうやらこの世界では、病や怪我に効く薬はダンジョンで手に入れるものなのらしい。

 あたしとマリカさんは、信じられないと顔を見合わせていた。

 

 

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