3ー5 ご招待
3ー5 ご招待
ミランダ先生の話しによるとつい2日前に『西の魔女』の命を受けた術者たちにより『幻獣の女王』が召喚されたのだという。
「もともとおばあ様・・いえ、『西の魔女』様は、『幻獣の女王』を探しておられたので驚くようなことではないのだけれど」
ミランダ先生があたしと叔父さんをちらっと眺める。
「ともかく、『幻獣の女王』が無事に召喚されたことは、この国にとって喜ばしいことだわ」
「『幻獣の女王』が・・」
スワロウ先生が驚きを隠せない様子でミランダ先生を見ている。
「それが本当なら、ついに魔力枯渇の呪いが解かれるのか?この世界は救われるんだな?」
「落ち着きなさい、スワロウ」
ミランダ先生がスワロウ先生をなだめる。
「ただ単に『幻獣の女王』の候補が現れたというだけよ。『西の魔女』様は、まだ彼女が『幻獣の女王』だとは確信してはいないわ」
「それより、公爵様、それにチカ」
ミランダ先生がにっこりと微笑む。
「『西の魔女』様は、チカにとっても関心を示しておられるわ。今度、お城で開かれるお茶会にぜひ招待したいということよ」
ミランダ先生がすっとどこからか封筒を取り出してあたしに手渡した。
「そのお茶会で『幻獣の女王』のお披露目があるから楽しみにしててね、チカ」
「この子は、まだ、そういう場には慣れていないので」
「『幻獣の女王』は」
叔父さんがいいかけたが、ミランダ先生が遮った。
「この学校に生徒として通うことになっているの。まあ、チカとは別のクラスだけれど、同じ年頃の女の子同士ですもの。きっと仲良くなれるわ。そうでしょ?チカ」
あたしは、ミランダ先生の考えがよくわからなくて。
叔父さんを見ると叔父さんは、なにやら考え込んでいる様子だった。
というか。
叔父さんたちは、あたしのことを『幻獣の女王』と呼んでいたけど、本物の『幻獣の女王』がいたんじゃない!
あたしは、ちょっとホッとしていた。
なんだか肩の荷が降りたような、そんな気がしていた。
「話が終わったようなら、そろそろ失礼したいのだが」
叔父さんが先生たちに問答無用で告げる。
「できれば、チカも連れて帰るつもりだ。召喚のショックで疲れているようだし、問題ないだろう?」
「それは・・」
スワロウ先生がミランダ先生を見る。
ミランダ先生は、上目使いに叔父さんを見ていたが、しばらくして頷いた。
「いいでしょう。今日は、早退なさい、チカ」
ミランダ先生があたしに微笑みかける。
「また、明日、待っているわ」
「では」
叔父さんがあたしの手を掴んで引き寄せる。
次の瞬間!
あたしは、叔父さんの屋敷の庭に立っていた。
「ど、どういうこと?」
あたしは、手にダルメスを抱いたまま叔父さんを見上げた。
「さっきまで学校にいたのに?」
「ちょっと近道しただけだよ、チカ」
叔父さんがあたしの頭を撫でる。
「チカ様!」
近くの空間が歪んでそこからメイアが姿を現す。
「急に気配が消えたものだから心配したんですよ!」




