3ー3 蜥蜴の王?
3ー3 蜥蜴の王?
スワロウ先生に呼ばれてあたしは、召喚の魔方陣の方へと進み出た。
あたしが中央へと立つとスワロウ先生が告げる。
「始めなさい」
「は、はいっ!」
あたしは、胸の前で手を組むと目を閉じる。
暖かな光に包まれるのを感じて目を開くと目の前に鱗が虹色に輝く小さな蜥蜴が現れた。
背中に二組の白い翼がある?
「ぴぃっ!」
ええっ?
あたしは、驚きすぎてきょときょととしてしまう。
これ、なんですか?
あたしは、困ってしまってすがるようにスワロウ先生を見た。
「これは・・?」
スワロウ先生も困惑顔だし!
何かわからない?
あたしは、蜥蜴をまじまじと見つめた。
うん。
よくみると愛嬌があってかわいいかも?
あたしは、飛び蜥蜴に手を伸ばす。
ぽわっと白い光があたしと蜥蜴を繋ぎ、その瞬間にあたしの頭の中に声が流れ込んでくる。
『我は、古代竜の王、ダルメスなり!』
はいっ?
あたしは、きょろきょろと辺りを見回してから蜥蜴に視線を戻した。
『下賤の者共には我の声は聞こえてはおらぬ』
蜥蜴がパタパタと羽ばたいてあたしの方へと寄ってくると肩に止まった。
『我が女王の呼び掛けに応じて参ったのだ!』
はいっ?
「ひっ!」
メイアの悲鳴のような声が聞こえてあたしは、メイアの方を見た。
メイアがふるふると震えながらあたしたちの方を見ている?
突然、鍛練場の外から笑い声が聞こえた。
そこには、巨大な灰色の狼を従えたエレノアさんたちがいてあたしたちを見て笑っていた。
「ごらんなさいな!あのみすぼらしい召喚獣を!」
「ほんとに!さすがは、落ちこぼれクラス!スライムから、果ては蜥蜴?」
「エレノア様の灰色狼の足元にも及びませんね!」
メイアが悲鳴のような声を上げる。
「なんてことを!今すぐひれ伏して謝罪せよ!さもなくば!」
『うるさい小蝿どもが』
蜥蜴が呟いたと思ったら次の瞬間にかっと口を開いた。
小さな口から真っ赤なマグマのような炎が溢れでてくる!
ごぅっと轟音が空気を震わせて。
「危ない!」
エレノアさんたちが!
もう、ダメだと思った瞬間、叔父さんの姿が見えた。
ええっ?なんで?
エレノアさんたちも何があったのかわからずに呆然としている。
燃え盛る炎は、叔父さんの差し出した手のひらに飲み込まれていく。
「叔父さん?」
あたしは、叔父さんに駆け寄っていった。
叔父さんは、何事もなかったかのようににっこりと笑って手を振っている。
「ええっと・・」
スワロウ先生が頭を掻く。
「何から突っ込めばいいのか・・ともかく、ここは、関係者以外立ち入り禁止ですので!おわかりでしょうか?ジークナー公爵」
「ああ。何やら不穏な気配がしたもので心配になりましてね」
叔父さんが息を切らせて駆けてきたあたしに目を細めて頭を撫でる。
「姪の無事を確認したらすぐに失礼しますから」
叔父さんは、あたしの肩に乗っている蜥蜴をぎろりと赤い瞳で睨み付けた。
蜥蜴がぷるぷる、震えている?
さっきまでの勢いはどうしたことか、羽をたたんで縮こまっている。
『我は、悪くないぞ!こやつらが不敬だったのじゃ!』
「そうだとしても後先考えずにどこでも火を吹くべきではないな」
叔父さんが凍えるような声で言うと蜥蜴は、ひっくり返ってぽとん、と地面に落ちた。




