3ー1 普通クラス
3ー1 普通クラス
「君たちの担任をつとめる、スワロウ・ローゼスだ。よろしく頼む」
教壇に立っているスワロウ先生を見つめてあたしは、ふと、さっきの先生とのやり取りを思い出していた。
スワロウ先生は、あたしを教室が並ぶ廊下の奥にある小さな部屋へと案内するとそこにあったソファに腰かけるようにと促した。
ソファセットがあるところから、この部屋は、応接室?
でも、すごくみすぼらしい感じがする。
部屋は、埃っぽくてなんだかカビ臭いし、ソファも固くて座り心地が悪い。
あたしがソファに座るとメイアは、すっとあたしの背後に立った。
「公爵家の令嬢には、ちょっと不釣り合いな場所だがすまないな、チカ嬢」
「いいえ、大丈夫です。気にしないでください」
あたしの言葉にスワロウ先生が頷く。
「クラスのことだが」
スワロウ先生が言いにくそうに告げる。
「君は、無属性とのことで普通クラスになった。君の実力からしたらあり得ないことなんだが」
「かまいません!」
というか、あたしは、普通クラスがよかったし!
だって、あたしは、剣も魔法もぜんぜん初心者だし!
エリートが集まった特別クラスなんて、絶対無理!
あたしの言葉をきいたスワロウ先生が意外そうな顔をする。
「そうなのか?」
スワロウ先生は、あたしに話した。
「てっきり君は、特別クラスがいいのかと思っていた。公爵家の令嬢だし、庶民が多い普通クラスは、嫌なのかと思っていたんだが」
スワロウ先生は、気を取り直したようにあたしに説明した。
「これから君が属することになる普通クラスは、ちょっと個性的な生徒が多いが君ならうまくやっていけるだろうと思っている」
「ええ」
あたしは、頷いた。
「もちろんです、スワロウ先生」
あたしは、ぼんやりとしていた意識を前方へと集中させる。
スワロウ先生が学園での生活についての助言やら説明をしているが、クラスの生徒たちのほとんどが聞いてない感じ。
みな、隣近所の生徒たちとぼそぼそと話している。
と。
隣の生徒があたしの肩をとんとん、とつついた。
振り向くとそこには、ちょっと大柄な黒髪の少女がいた。
青い瞳がとってもきれい。
「あなた、チカ嬢よね?」
あたしが頷くと少女は、にっこりと微笑んだ。
「私は、アンナ。アンナ・プルースト。よろしくね」
「こちらこそ、よろしく」
あたしが微笑むとアンナがそっと耳打ちする。
「これから、従魔の召喚の義があるでしょ?」
アンナがふぅっとため息をつく。
「ほんと憂鬱だわ。私、そういうの苦手で」
従魔の召喚?
あたしがきょとんとするとアンナさんが説明してくれる。
「魔法学園の生徒として従魔も従えてないとってことなんだけど、ね」
なんでも召喚の儀式でぞれぞれに仕える従魔を召喚するらしい。
従魔というのは、魔法やダンジョンでの戦闘などで力を貸してくれる魔物のことなんだって。




