1ー2 もしかして異世界?
1ー2 もしかして異世界?
どうしたらいいんだろう?
あたしが困惑しているとハチワレ猫が勝手にあたしの荷物を持ってバス、というか馬車から降りていく。
「ちょ、待って!」
続いてバスから降りるとその瞬間、さっきまであった筈のバスが消えてて石畳だけが残されてた。
「どうなってんの?これ!」
あたしがわぁわぁ騒いでいるのを無視してハチワレ猫は、荷物を運んでいく。
あたしは、置いていかれまいと急いで猫の後を追いかけた。
「ちょっと、あんた、あたしの荷物どこに持ってくつもり?」
ハチワレ猫は、振り向きもせずに歩いていく。
ムカつく!
あたしは、腹がたってハチワレ猫を追い越そうと足を速めた。
と、急に猫が立ち止まって。
どん、とぶつかってふわふわのネコ毛に顔を突っ込んでしまう。
なんか、いい匂いがして。
癒される感じ?
「お連れしました、ご主人様」
「ああ、ご苦労だったな、ランディーノ」
渋い、響きのいい声にあたしは、慌てて顔を上げる。
そこには、金髪の髪をアンニュイげに伸ばした青い瞳のハリウッドの俳優みたいなイケメンが立っていた。
「叔父さん?」
「よく来たね、チカ」
叔父さんがあたしに近づいてくるとハグしてきた。
「会いたかった!」
あたしは、心臓が口から飛び出しそうなぐらいどきどきしていた。
叔父さんにハグされるとか!
子供の頃以来だし!
叔父さんには、もう10年ぐらい会ってなかった。
確かに、子供の頃は、叔父さんにだっこされたり肩車してもらったりしてたけど!
びっくりしているあたしの肩を抱いたまま叔父さんは、あたしを路上に停まっていた馬車へと案内した。
いや!
やっぱ、馬車なの?
というか、ここ、ほんとに日本なんですよね?
あたしは、ゆったりした馬車に乗り込むとすぐに馬車が動き出す。
あたしは、叔父さんに問いかけた。
「ここ、東京だよね?」
「そうだな」
叔父さんがにこにこと微笑む。
笑みが眩しい!
「ここは、ミルカリアの街だけど」
「ミルカリアって、日本のどこ?」
あたしが問うと叔父さんが答えた。
「チカ、ここは日本じゃない」
日本じゃない?
マジで?
あたしは、狐につままれたような気がしていた。
「ここは、ラフニノフ王国のミルカリアの街だよ」
「ラフニノフ王国?」
あたしは、ぱちぱちと瞬きした。
どこの国ですか?
「ここ、外国なの?」
「外国というか・・その、異世界、かな?」
叔父さんがふふ、っと笑った。
異世界?
あたしは、開いた口が塞がらない。
なにそれ?
ていうか、なんで叔父さんは、異世界にいるの?
叔父さんは、東京にいるんじゃないんですか?
「まあ、東京とそれほど変わりはないから、安心して、チカ」
叔父さんが機嫌よさげに微笑むのをあたしは、呆然と見つめていた。
「あ、あの!」
あたしは、はっと気付いて叔父さんに訊ねた。
「あたし、高校に行くんじゃ?」
「安心して、チカ」
叔父さんがあたしに優しく告げた。
「ちゃんと入学試験の申し込みはしてあるからね」
入学試験、ですか?
あたしは、ぶんぶんと頭を振った。
「異世界の高校とか、無理だし!」
「チカは、僕と暮らしたくないの?」
叔父さんがしゅんとしてうなだれる。
なんか、捨てられた子犬みたいでかわいそう?
あたしは、慌てて叔父さんに言った。
「入学試験だけなら、受けてみてもいいかな・・」
「ほんとに?」
叔父さんがぱぁっと顔を輝かせる。
ほんと!
イケメンぷりハンパないし!




