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2ー6 1人にしない。

 2ー6 1人にしない。


 やっと試験が終わって解放されたのは、日がだいぶ傾いてからだった。

 試験のあと、あたしは、同じ受験生たちに囲まれてしまった。

 みな、口々にあたしを褒めそやした。

 「剣聖スワロウ・ローゼスに勝つなんて、すごすぎる!」

 「入学したら、ぜひ、一度、お茶会に招きたいのですが!」

 「得意な魔法は、何?」

 いやいやいや!

 誤解なんです!

 あたしは、ただのモブなんです!

 みんなに囲まれてあたしが困惑しているとミランダさんがあたしを救出してくれた。

 「みなさん、試験がすんだなら帰宅なさい!通路で固まっていてはいけません!」

 ミランダさんに注意されてみな、不満そうにではあるがゆっくりと去っていく。

 やっと解放されてあたしがホッとしているとミランダさんがため息をつく。

 「あなた・・わかっていたけど、できればあまり問題は起こさないで欲しいものだわね」

 「はいっ・・」

 あたしは、ミランダさんに言われてしゅんとしてしまう。

 そのままミランダさんに先導されてあたしは、学園の門扉まで連れていかれた。

 「チカ!」

 叔父さんが待ち受けていた。

 あたしは、駆け寄ろうとしてはっとする。

 叔父さんを取り囲んで人だかりができている?

 みな、叔父さんとお近づきになりたがっているようだが、叔父さんは、我関せずを貫いているし!

 あたしは、叔父さんの無自覚ぶりに少し呆れていた。

 叔父さんは、あたしが側に歩み寄ると柔らかい笑顔を浮かべる。

 「疲れただろう?チカ。はやく家に帰ろう。晩御飯は、チカがすきなハンバーグだよ」

 「ほんとに!?」

 あたしは、はぅっと叔父さんを見上げた。

 ハンバーグ!

 あたしは、周囲からのちくちくする視線に思わず我にかえった。

 「じゃなくって!」

 あたしは、叔父さんの手を引いて馬車へと急いだ。

 ほんとに!

 叔父さんは、隙だらけなんだから!

 こんなんじゃ、誰かに簡単に騙されちゃうんじゃ?

 あたしは、はぁっとため息をつく。

 叔父さんには、あたしがいないとダメだ!

 あたしが側にいてあげなくては!

 あたしたちが馬車に乗り込むとすぐに馬車は、走り出す。

 「どうしたの?チカ」

 「あたし!」

 あたしは、叔父さんを見つめた。

 「決めたから!叔父さんが心配だからここに残るって!」

 んっ?って顔をしている叔父さんにあたしは、びしっと言い放つ。

 「ほんとは、帰るつもりだったけど、叔父さんを放っておけないから!」

 「それは」

 叔父さんが嬉しげに微笑んだ。

 「ずっと僕の側にいてくれるってこと?」

 「ずっと、ていうか・・叔父さんが心配なくなるまで一緒にいるから!」

 叔父さんにしっかり者のお嫁さんか恋人ができるまでは、あたしが叔父さんを守らなくては!

 「心配なくなるって・・」

 叔父さんが眉尻を下げる。

 「僕は、そんなにしっかりしてないかな?」

 「してる、かもしれないけど!」

 あたしは、びしっと告げた。

 「でも、もう、1人にはしないから!」

 

 

 

 

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