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2ー4 測定不能

 2ー4 測定不能


 午後からの試験は、広々とした闘技場のような場所で行われた。

 コロシアムのような場所の中央に作られた円形の台の上にあの時、ミランダさんが持っていた青い石の数百倍はある大きさの石が置かれていた。

 さっきの試験官たち、それとミランダさんが石の周囲に立っているのが見える。

 あたしは、観客席に並んでいる受験生たちに混じって座っていたのだが、なんだか浮いているし!

 「あれがジークナー公爵の?」

 「生活魔法しか使えないらしいし」

 豪奢な金髪の巻き髪が美しい女子がバカにしたような目であたしを見る。

 「しょせんは、成り上がり者の身内よ!」

 成り上がり者?

 あたしは、なんだか腹が立ってきていた。

 あたしのことはなんとでも言えばいい。

 だって、あたしは、明日にでももとの世界に戻るのだから。

 でも、叔父さんは違う。

 叔父さんは、この世界に残って暮らしていくのだ。

 それなのにあたしのせいで叔父さんがバカにされるのは許せない!

 試験官が名を呼ぶ。

 「エレノア・ガストール伯爵令嬢!」

 すっと金髪巻き髪の子が淑女の礼をとり前へと出ていく。

 台の上に上ると試験官の前で青い石に触れる。

 ぽうっと石が輝きみんながどよめく。

 「エレノア嬢」

 試験官のじいちゃんが告げる。

 「光属性、魔力量も常より多し」

 ざわめきの中、どや顔で戻ってきたエレノアは、あたしを見下ろして勝ち誇ったように笑う。

 「なんだか、申し訳ないわね。無属性の人もいるというのに」

 「無属性!」

 エレノアの取り巻きらしい女子が笑う。

 「そんな生活魔法しか使えない人がここにいるんですかぁ?」

 いるんだよ!

 あたしは、ぐっと拳を握りしめて堪えていた。

 くすくすという笑い声が聞こえる。

 その時、じいちゃんが呼ぶ声がした。

 「チカ!チカ・ヤツハシ・ジークナー公爵令嬢!」

 あたしは、慌てて立ち上がるとその場で淑女の礼をとる。

 みんなの視線が痛い。

 あたしは、ぎくしゃくと歩いて前へと出ていった。

 緊張して右手と右足が一緒に出てるし!

 見ていた連中がどっと笑い声を上げる。

 あたしは、恥ずかしさと怒りで顔が熱く火照っていた。

 みてろよ!

 あたしは、試験官のじいちゃんに促されるとすっと青い石に触れる。

 その瞬間、体に電流が流れるような気がした。

 あたしは、弾かれるように頭を上げた。

 石が哭いている?

 ごぉうっ、と地響きのような音と振動が響いて、そして、青い石がかっと眩しく輝く。

 次の瞬間、青い石は微塵に砕け散った。

 「な、なんと!」

 じいちゃんが動揺を隠せない。

 「これはっ!」

 場内がしんと静まり返った。

 あまり静かすぎて耳がきぃんと鳴る。

 あたしは、どぎまぎとじいちゃんの方を見た。

 じいちゃんは、難しい顔をしていた。

 「チカ・ヤツハシ・ジークナー公爵令嬢の属性は、無属性。魔力量は・・」

 あたしは、ごくっと息を飲む。

 「測定不能!」

 じいちゃんの言葉にみながざわめいた。

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