2ー2 試験官たち
2ー2 試験官たち
あたしたちを取り巻いてみながざわめいている。
「もしかして、ジークナー公爵?」
「あの、社交界に顔を出すこともないっていう?なんでこんなところに?」
「もしかしてあの女の子が噂の公爵の姪?」
叔父さんは、あたしの手を引いて守るようにして学校の中へと入っていった。
門扉のところでミランダさんが待っていた。
魔法学園の先生らしい黒いローブを身にまとったミランダさんは、叔父さんを差すような目で見つめていた。
「こんなところまでついてくるとは、あなたもたいがいですね。甘やかしすぎじゃないのですか?」
「チカは、まだこの世界に来てから間がない。慣れない場所で不安がっているんです」
「そうなの?」
ミランダ先生があたしをじっと見るのであたしは、顔が火照ってくる。
「ともかく、ここから先はいくらジークナー公爵閣下とはいえ立ち入りを許可するわけにはいきません。大人しく帰っていただきたい」
ミランダさんに言われて叔父さんは、肩をすくめる。
「仕方がないな」
叔父さんは、あたしの頭をそっと撫でる。
「じゃあ、試験がんばって。私は、外で待っているから」
叔父さんは、そう言うと名残惜しげに去っていった。
「さて、と」
ミランダさんがあたしに向き直った。
「私は、この学園の教師です。あなただけを特別扱いするわけにはいかない。そこは、わかって欲しい」
「大丈夫です」
あたしは、ミランダさんに頷いた。
ミランダさんは、あたしを連れて学園の古めかしい校舎へと向かった。
「試験は、午前に筆記試験。午後に魔力測定が行われる」
ミランダさんがあたしに説明してくれた。
「筆記試験は、特別に別室で受けられることになりましたが、魔力測定は、他の生徒たちと一緒に受けてもらうことになります」
ミランダさんは、あたしを校舎の奥にある応接室らしき部屋へと通した。
そこには、3人のミランダさんと同じ黒いローブをまとった人たちがいた。
重厚な机の向こうに並んでこちらを見ている。
まるでこれから裁判にかけられるみたい?
あたしは、緊張で体が震えるのを感じた。
「これがあのジークナー公爵の?」
頭がはげ上がった萎びた感じのじいちゃんがあたしを値踏みするみたいな目で見ている。
あたしがぼうっとして立っているとじいちゃんの横に座っている年配の赤毛の女性が眉をひそめる。
「公爵家では、礼儀作法を教えていないのかしら?」
あたしは、はっとして慌てて淑女の礼をする。
「チカと申します」
「ふん!」
年配の女性があたしを睨み付けた。
「なんにせよ、礼儀作法から教えなくてはならないのでしょうね。何しろ、あの無礼者の姪なのだから」
「しかし、ジークナー公爵家の血筋はひいていないとか」
若い銀髪の男性が首を傾げる。
「いったいどういう関係なのかな?しかも、この子は、無属性で生活魔法しか使えないんだろう?」
「ともかく!」
ミランダさんがあたしとその連中の間に入る。
「これからする試験でこの子の真価が問われるのです。その結果をみてから話しましょうか?」




