表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

100/121

10ー1 女子会

 10ー1 女子会


 学期末の舞踏会の数日前。

 あたしとメイアとマリカさんは、アンナさんの家に集まっていた。

 これは、アンナさんが言い出したことだった。

 いわゆる舞踏会前の合宿。

 とはいえやることといえば舞踏会に着ていくドレスの見せ合いやら、誰と踊ることになっているか、とかそういう女子トークばかり。

 夜遅くにそれぞれ可愛らしい夜着に着替えて恋ばなするのは、異世界でも共通のお楽しみだ。

 しかし。

 あたしたちは、というと可愛らしいジャージ姿での参加となる。

 みんなお揃いのピンク色のジャージ。

 ジャージとはいえ、ヨゼフさんが造ってくれたものは、上着の裾に白いレースのフリルがついていてとってもおしゃれだし!

 あたしたちは、ジャージでくつろいであたしがペンで出した駄菓子を食べながら盛り上がっていた。

 「マリカさんは、教会の聖騎士の方にエスコートしてもらうんでしょ?」

 アンナさんがポテチを摘まみながら唇を尖らせる。

 「結局、エスコートしてくれる男子が決まってないのってあたしとメイアだけ?」

 「決まってるっていってもあたしは、グリエ君だし」

 あたしがため息をつくとアンナさんが身を乗り出す。

 「でも!グリエ君って実は、王族だって噂だし!意外とありだし!」

 グリエ君は、学園に戻ってきてからは、ほぼほぼ毎日アンナさんの、というかヨゼフさんの工房に入り浸っている。

 父である王様との約束で魔法学園に通っている間だけは、ヨゼフさんに魔道具師として弟子入りを許されたのだとか。

 期限が決まっているなんて少し悲しい気もするけど、グリエ君本人は納得しているみたい。

 あたしにくれた花飾りもヨゼフさんの工房で造ったものだし。

 ヨゼフさんは、グリエ君の事情を知った上でグリエ君を弟子にしている。

 グリエ君は、それだけの才能がある魔道具師なのだ。

 アンナさんがあたしの肩に手を回して問いかけた。

 「それとも、チカは、他に誰か誘って欲しい人がいるとか?」

 「・・それは・・」

 あたしがいい淀んでいるとアンナさんが目をすがめる。

 「婚約者がいるのに、それ以外の誰と踊りたいっていうの?」

 あたしは、黙ったまま、アンナさんから視線をそらす。

 「ジークナー公爵?」

 マリカさんが小声で呟くのを聞いてあたしの肩が跳ねる。

 アンナさんがはっと目を見開く。

 「そうなの?チカ、あなた、公爵のことが好きなの?」

 「それは・・」

 あたしは、視線をそらしたまま、俯いた。

 アンナさんがふぅっと吐息を漏らす。

 「叔父さんのことが好きって、ねぇ」

 「でも!わかるような気がします!」

 マリカさんが珍しく力説する。

 「ジークナー公爵は、とっても素敵な方だし。それに、チカとは義理の叔父さんにあたるんでしょう?」

 「それなら、叔父さんと結ばれるのもありなんじゃ?」

 アンナさんがこてん、と首を傾けてあたしを覗き込む。

 「チカは、どうしたいの?」

 「あたしは・・」

 あたしは、口ごもる。

 「叔父さんと・・踊りたい!」

 

 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ