反対の理由
掲載日:2026/01/16
反対の理由
「高校生になったら美容整形したいな」
秋菜は黙って私を見た。声が震えたかもしれない。
「美容整形なんか絶対にしたら駄目、冬華はそのままが可愛いよ!」
と強く言われた。言われた瞬間しばらく俯いてしまった。冷気が身体中に感じた。
私は自分の顔を見ると手が震える。胸がぎゅっと締め付けられる。
秋菜に言われた言葉を思い出すと、視界が揺れる。秋菜は手が届かない存在だ。私はそんな彼女に密かに憧れている。きっと彼女には私の気持ちなんか分からないだろう。相談なんて、しなければよかった。
次の日、学校に行くと秋菜が友達と話していた。私は柱の影に隠れて会話を聞いた。声が遠くに揺れ、息が止まる。
「昨日、冬華に整形したいって言われたけど、反対しちゃった」
「何で反対したの?整形嫌いなの?」
「冬華、話題のアイドルに似てるじゃん、顔が変わるのがもったいないと思っただけ」
「うん、冬華、あのアイドルにそっくりだよね、本当に可愛い。」
まさか昨日の自分の話だとは思わず体が固まった。学校の休み時間、こっそりそのアイドルを調べてみた。まるで双子みたいに自分と顔が似ている。胸の奥が温かくなり始めた。画面をずっと見つめていた。




