スケープゴート
大家族制度が壊れた事に端を発して
平均寿命が伸びての少子高齢化などで
国の人口は減っていった
作業用ロボットと、今までの知識とかノウハウを
組み込んだAIが出来上がって
ほとんどの仕事は自動化できたので
労働者とか労働者教育は、以前ほどには必要なくなった
熱心な仕事教の信者を増やしたり
人力で色んなアイデアを絞りだしたり
作業項目とか作業手順とかを考えたり
人材の向き不向きとかを判定したり
同業者団体での権力争いや発言力とかを競わせたり
そこらへんを調整する苦闘からも解放された。
家族を大事にしていく必要も無くなった
今迄の家族の代わりに一緒に過ごすロボットも出来て
自分の嗜好とか思考とか指向に合わせて
最適な態度で一緒に過ごしてくれて
家事とか面倒な税金の確定申告とか生活のための手続きとか
老後の介護とかも全部やってくれる
なので役所の代わりに出来上がったのは
各種の市民サービスを、家事ロボットに送信したり
税金や社会保険の集金状況を管理するデータセンター
首都に機能的に全てが集約されていき
昔、農協みたいなのの支部があった農業地帯では
農作業用ロボットが稼働して黙々と農作業をしていて
そのロボットが故障したり、人間が減って増えた動物が
農作物を荒らしたり、ロボットを壊さないかを監視したり
した時に対応する人間が少しいるだけになった
首都にロボット工場、ロボット設定会社
ロボットを安く量産するための原材料調達会社
AI開発会社が集まっていて
そこで働く人々が唯一の民間労働で、唯一の同業者団体
少し前の熱心な仕事教の信者となった
国教は同じでも、同じ仕事をする内輪で
神のように崇拝される影響力のある存在が
生きている人間の中から出現して
宗教じみた世界が発生したので
その仕事教の教祖、同業者内の神様な存在を
国教の下部組織のような存在にしておくために
神託を与えていたわけなのだが
それも、AIロボット仕事教の信者の内輪で
神のような存在となった一人の人間に
神託を与えれば良くなったので楽といえば楽になった
でも、たまに思う、このAIロボット教の現人神として
賛美されている人間がプレッシャーで狂って
全てを壊すような暴走破壊行為を始めたら
その予防のためにプレッシャーを緩和するために
何かが必要なんじゃないかと思案する中、思いついた。
やっぱ、こいつら必要ないよねと
国民が同じ事の繰り返しで貯め込んだ不平不満を
ぶつけて鬱憤晴らしをするためのスケープゴートを作ろう
いても、いなくても、どうでもいいし
やっても、やらなくても、どうでもいい事をするだけだけど
何故か存在している存在を作って、内輪の現人神をデッチ上げ
一時的に大勢の群衆を熱狂させるような事をさせて
短い間だけ流行を作り上げさせる
その急速に流行したものは、短い間で廃れ
奴等は、いなくていい存在だったと否定される
そういった破壊するための創造が必要なのだ。
あんな馬鹿げた大衆流行に比べて、国教は素晴らしい
と絶対的に国教を肯定させておくための
絶対的に否定させるための一時的なスケープゴートが
そう思いついて、実際にスケープゴートを発生させてみる事にした。




