交流街と月の洞
投稿遅くなってしまいすみません!!
「いやー、やっと終わったなー」
「お疲れ様です、主」
「おつかれさまっす!」
「思ってたより遅くなったな…でも、デンドロの服がもらえたのはよかったな!」
「危うく我々もあの男と同類になってしまうところでした」
「え、あのオッサン普段裸なんすか⁈」
「残念ながらな。そんなことより飯を食べようぜ、流石にそろそろ空腹で死ぬ!」
「それは一大事です!デンドロ!そこの露店から食事を買いに行くぞ!」
「り、了解っす!」
…フロウ便利だなぁ
「主、お食事をお持ちいたしました!」
どうやら地球でいう焼き鳥のようなものらしいが…
「おぉい!ごらぁ!まてぇ!」
「ししょぉ〜、待ってくださいよぉ〜」
なんでこっちに目掛けて汗臭そうなおっさんが走ってきたんだ?…てか男に追われるの多いなおい!
「金を払ぇえ!」
「主に食べていただけるのだぞ!むしろ感謝しろ!」
「はぁ?!なんで俺が怒られたんだよ!おい、そこの兄ちゃんこいつの主人なんだろ?金払ってくれ!」
よーし、なんとなく理解したぞ……フロウあいつ何やってんだよ!いきなり盗人じゃねえか!
「ほんっとうにすみません!すぐお払いいたします!」
「さっさと銀貨一よこせや!ついでに迷惑料で銀貨一枚だよ!」
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龍司一行がゴングの部屋を出る直前…
「そぉーだ、君たちの世界と比較した通貨単位を知りたくないかぁーな?」
「え!わかるんですか!」
「まあ、僕にかかればちょいょいのちょいだぁーね!」
「こちらに異世界人マニュアルというものがありますのでそちらを見ていますのでご安心を」
「そこは言っちゃダメじゃーあないかぁ〜、そういうわけだからぜひ読むんだぁーね」
「ありがとうございます!」
その異世界マニュアルによると…
青銅貨…約10円
銅貨…約100円
銀貨…約1000円
金貨…約10000円
白金貨…約1000000円
と、なっているらしい。ちなみに今の所持金は…約27500円、心許ないな。
この本にはポンドやらドルやらかなりの数の単位が載っていた…これ書いた人すごいなぁ。
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「よし!毎度ありぃ!」
「ぼったくられた感が否めないが…捕まらなかっただけよしとしようか…」
「誠に申し訳ありません!切腹でもなんでもする覚悟でございます!」
「いやいやいや!やめろって!元はと言えばついこないだまで犬だったフロウに任せたおらが悪いんだしな」
「主の使いひとつこなせないとは…従者失格!」
「お!これうまいっすねー」
あ、これ聞いてねぇな
そして約一名呑気に焼き鳥を食べている
「師匠って、ご主人が関わった途端バカになりますよねー」
「ぐっ、何も言えん!やはり切腹を…」
「まあまあ、落ち着けって。俺だって大事な愛犬に死んでほしくはないんだから、な?」
「主…!このフロウ、身命を賭して仕えます!」
「それはいいんだが…道の真ん中ではやめてくれないか?」
周りの視線が痛い…
「さて、俺たちは今大きな問題に直面している」
「由々しき問題ですな」
「え、どうしたんですか?」
「今夜泊まる場所がない!」
「え、野宿じゃないんすか!?」
「主に野宿などさせるわけが無かろう!」
「そしてそれだけじゃない!宿を探すうちに道に迷った!」
「臭いが多すぎるが故、我が鼻もお役に立てません…」
「やっぱ野宿でいいんじゃないっすかー」
「野宿だけはなぁ…」
「あ、さっきギルマスに呼び出されてた人。どうした?」
途方に暮れていたら、下の方から声がした
「えーっと、君はどうしたのかな?夜に子供一人で出歩くと危ないよ?」
「なんで?私冒険者、成人もしてる」
あーこれはきっと、この子冒険者に憧れて嘘ついてるんだな。乗ってあげないと
「へぇ!そうなんだ、すごいねー」
「むぅ、信じてなさそう。ギルドカードを見ればわかる」
そう言って女の子が取り出したカードのランク欄には…
「Aランクかよくできたカードだね、自分で作ったのかな?」
「そんなことしたら重罪、これは本物。ここ見て、私成人してる。」
えぇ!?16歳って成人なんだ…てか、こんなに小さいのにAランクか、ほんとなら上から2番目の高ランクじゃないか!
「呼び出されたお兄さんは何ランク?」
「僕たちは今日登録したからね。まだFランクだよ」
「ふふん。私の方が先輩」
「それで、先輩どうして声をかけてきたんだい?」
「はっ!忘れるとこだった、呼び出されたお兄さんたちが困ってそうだから先輩として助けてあげようと思って。お兄さん、どうした?」
「実は僕たち宿屋を探してたら道に迷っちゃってね…」
「ふっ、ここは先輩としていい宿屋を教えてあげる」
「先輩……!」
もう先輩に足向けて寝られないな…
幼女に助けられる俺って……あれっ、目から体液が…
「私が泊まってる宿に連れてく、そこ、ご飯が超おいしい」
「よっ先輩、分かってますねー」
「ぐぐ…本来なら私がやるべき仕事が…」
「そういえば、まだ自己紹介してなかったですね。
俺の名前はリュージ、それでこの二人は従者の…」
「フロウと申します」
「デン・ドロク、通称デンドロっす!」
「私は、ネム・ネルス。好きなことは昼寝とごはん、よろしく」
と、言っているうちに年季を感じる和風の木造建築の施設が見えてきた
「ついた。ここがその宿屋、月の洞。」
「侘び寂びを感じる宿だなあ」
「いい宿っすね!ご主人!」
「異世界でこのような建築が見れるとは…」
「あら、おかえりなさいネムさん。今日は遅かったわねー」
「ただいま。今日は道に迷ってた後輩を連れてきた。」
「あら、新しいお客さん!!嬉しいわぁ〜!さてとっ、改めまして宿、月の洞へようこそおいでくださいました。女将のスイラン、と申します。ご入用の際はお気軽にお声がけくださいね。」
「俺は、今日この街に来たリュージと言います。それでこっちの2人が従者のフロウとデンドロです。」
「ご丁寧にありがとうございます。それで、本日は宿泊でよろしいでしょうか?」
「はい。できれば三泊ほどお願いします。」
「わかりました。では朝晩のお食事がございますのでその際はこの右側にある食堂へお越しくださいね。」
「ここのご飯は、うまい」
「楽しみだな〜」
「そんなに期待されると困るわ〜。では、料金銀貨9枚が三人で金貨2枚と銀貨7枚いただくわね。」
「やべっ金のこと忘れてた…。すみません、とりあえず一泊分だけでも良いですかね?」
「わかりました。ですが明日の夜までにお支払いをお願いしますね?ではごゆっくり〜」
「じゃあ、後輩ばいばい」
「先輩、ありがとうございましたー。さ、俺たちも寝ようか。」
「ええ、そういたしましょう」
「はいっすー」
それにしても今日も濃い一日だったな…
明日、お金が集まるのだろうかという一抹どころではない不安を抱えつつ俺らは眠りについた…