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初めての街と変質者

たった数時間なのに洞窟での出来事が濃すぎて何日も日の光を浴びていなかった気がするな〜


「さてと、何とか洞窟からも出れたことだし街に行くとしますかあ!」

「了解です、主!」

「わかりやした!」

「いやドロク、お前は連れてかないぞ?」

「そ、そんな!何でですか、もう洞窟出たから用済みということですか!?」

「いや、だってお前全裸じゃねえか!街行って早々お縄につくとか嫌すぎんだろ!」

「あ、そうでした!服を着る習慣がないものでして…」

「だから俺と権三郎でお前の服買って迎えにきてやるから、大人しく待ってろよ?」

「了解っす、ご主人!」

「この世界の金銭はあるのですか?」

「ちゃーんと神様からもらってるぜ!」

「ご主人よ、神、とは?」

「あぁ、言ってなかったな俺たちはな…」


ドロクに異世界から来たことやら何やらを話した


「えぇぇぇ!そうだったんすか!どうりでフェンリルのような魔物がこんな所にいる訳で」

「あ、そうだ聞きたかったんだけど大きな犬の魔物ってフェンリルしかいないのか?」

「犬…ですか?犬ならいますがお師匠は狼ですよね?狼はフェンリルくらいしか知りませんね」

「え、権三郎は犬だぞ?少なくとも前の世界ではな…」

「えぇ!そうだったんすか!?」

「主、実は前の世界の時から申し上げたかったのですが…」

「ん?どうしたんだ?」

「名前を!せめて呼び方だけでも改めていただけないでしょうか!主にいただいた名前ですが、来る人来る人に、ダサい、と言われ続けていては我も気が滅入ってしまうのです!」

「そうだったのか…じゃあ、これからは権三郎を少し変えてフロウって名前でどうだ?」

「主…!ありがとうございます!」

「あ、なら俺もこれからは親交の印にデンドロって呼んでくれよ!」

「よし!じゃあ、改めてフロウ、デンドロよろしくな!」

「「はい!」」

「フロウ!早速出発だ!」

「了解です!」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ここは龍司たちが来た国、フィルネア王国 王都…に2番目に近い街 リューネル、通称“交流街”

日々怒声や笑い声、走り回る衛兵など賑やかな街である。

そして今日、この街をさらに賑やかに、はたまた騒がしくする者たちが訪れる。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「ふぅ、思ってたより長かったな…」

「前回のように運んでいければ良かったのですが…」

「流石にあの姿になるわけにはいかないからな」


とはいえ前見た時も思ったが大きい街だなぁ。この世界のことはよくわからないがかなり大きな街なのではないだろうか、街に入る審査の列がなかなかに長い


「次のかたー」

「主よ、順番が来たようです。」

「あ、もう来たのか。意外と早いな」

「えーっとお二方はこの街へ来るのは初めてのようですね、では身分証の提示をお願いします」

「えっ身分証!?」


そうか!全く考えてなかったぞ


「あーえーっとーそのー」

「実は我々道中で賊に遭遇し逃げては来たのですがその際いくつか荷物を置いてきてしまい…その中に身分証なども入っていまして」

「あぁ!なるほど、災難だったな兄ちゃん達、じゃあこのまま真っ直ぐ言ったところにある冒険者ギルドで身分証を作って今日中に見せに来てくれ、来れないと犯罪者になっちまうからな!早くこいよー!」


あの門番しれっとおそろしい事を…


「フロウ!予定変更だ、早急に身分証を作るぞ!」

「わかりました!」


えっと門番さんの話だとこの道を真っ直ぐだよな。

あ、あのでかい木製の建物か?剣と狼のなんかそれっぽいエンブレムもあるし、おそらくここが冒険者ギルドだな


「主あちらから何者かが走ってきます!」

「何だあれ?よく見たら後ろに衛兵もいるぞ…てかこっちに向かってきてないか?」

「君たちぃ!新顔じゃあないかーい?」


あ、これもしかしなくても俺たちがターゲットだ、てか考えたくないけど…あの人ロングコートの下服来てなくね?

「主、よくわかりませんが一度逃げましょう!」

「あ、ああ!」

「あー、またかー」

「兄さん達頑張れよー」

「お話しようじゃーあないかー」

「なんでみんな慣れてんだよ」

「この世界では変質者も普通なのでしょうか…」

「嫌な世界だな!」

「ちょーっとどいていただけません?」

ドシャッ

「そこのお二方!頑張って逃げてくれ!こいつは我々ではどうにも出来ない!」

「衛兵仕事しろぉぉぉ!」

「まずいですね、あの変態かなり動けます」

「つまり?」

「すぐ背後まで迫っています」

「終わったー!」

「ちょーっとギルドでお話しするだけだぁーよ」

「え、ギルド?」

「やぁーっと追いついたねぇ」

「あ、やべえ!」

「主、ここは私が犠牲に…」

「だぁーからギルドでお話しするだけだって〜」

「あなた、本当にギルドの人なんですか?」

「もちろんだぁーよ、私は冒険者ギルドリューネル支部看板受付男!とついでにやっているギルドマスター!”完全変態”の異名を持つゴング・ヘップバーンとは私のこと!」

「ぎ、ギルドマスター!?」


「こんな何から何までヤバいやつが?完全変態とかいうわけわからん異名持った無駄に爽やかイケメンのくせにむさくるしい気がするこの変態がギルドマスター!?」


「主、本音がダダ漏れです…」

「そーんな言われるとさすがに傷つくねぇ〜」

「あ、す、すみません!つい本音が…」

「じゃあ謝罪の印にギルドに来てもらおうかぁーな」

「げ、そう言われてるとな…」

「もとよりいずれはいかねばならぬ場所ですから観念しましょう」

「まあそうだな、わかりましたギルドに行きましょう!」

「その返事を待っていたんだぁーよ!さ、早いとこいこうじゃーあないか」


俺の旅に平穏の二文字はないらしい…

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