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死活問題と新たな出会い

スキル、魔力譲渡を削除しました 2/12改


「ワウッワウッ」

「フェ、フェンリルが来たぞー!」

「人を咥えてるぞ!急いで救出しろ!」

「詰所にいる兵も全て集めろ!」


うう…頭に血が上る…

何やら人の声が……フェンリル!?あの、神話の世界にしかいなかったフェンリルだと!どこに!

と、周りを見渡せば何故か地面が遠い。そして視界の端に映る犬のような足。

そして横を見れば少し金色がかった毛も見える。

どうやら俺は今、さっきの権三郎似のバケモノに咥えられているようだ


「だ、誰か助けてくれ〜!」


と言いながら手を振った時、今更手に何かを持っていることに気がついた

手紙のようだが宛名は…神!?

何やら重要そうな気がしたので慌てて読む、

えーっと…


「さっきの神なのじゃが、伝え忘れたことがあってな、実は権三郎君もそちらの世界に居てのう、見たらわかると思うのじゃが、こちらの世界にくる際、彼の希望で体を大きくしたのじゃよ。犬種変わってないぞい!

ちなみに、一応彼は龍司君にテイムされていることになっとるぞ。

追伸:あまりに落胆するので1m四方のイベントリをつけてやったぞい。感謝せい!」


ええぇぇぇ!もしかしなくてもこの巨大犬、権三郎なのか!?


「権三郎…なのか?」

「ワフウッ!」

「権三郎〜!」


まさか本当に権三郎だったとは…

ってしているうちに兵士の準備が!


「ご、権三郎!一旦逃げるぞ!」

「ワフッ!」

「おわっ」


思ってたより走るのが速いな…てかなんで俺咥えられたままなんだよ!


「おーい、権三郎加えるのはやめてくれー!」


…まずい、聴こえてないぞ

この体勢でこの揺れとこの速度は……うっ、やばい、早く気づいてもらわねばアレが出てしまう!


「権三郎ーーー!降ろしてくれー!」

「ワウッ」


ふぅやっと降りられた…

危うく異世界で初っ端から出してしまうところだった…

とは言え…まさか


「まさか権三郎もこっちに来ていたとはなあ!」

「ワフッ!」


めっちゃでけえ…俺の3倍はあるんじゃないか?


「さてと、これからどうするかねー」

「街には入れなそうだしなあ…」

「ワウ…」

「落ち込むなって!きっとなんとかなるさ!」


とは言え流石にこのままだとまずいな…


「まずは食料と飲み水の確保、だな…となるとこの森に入るべきなんだろうが…」


この森、いかにもやばい雰囲気が漂ってるんだよなあ…


「ワウワウ!」


ハッ!権三郎の存在をすっかり忘れていた!さっきフェンリルとか言われてたしやっぱり強いのか…?


「いざとなったら権三郎に乗って逃げればいいし大丈夫か!」

「ワウッ!」

「よし!じゃあ、いくぞー!」

「ワウ!」


なんだか少しワクワクしてきたなぁ〜


「ついに俺の異世界ライフ華々しい第一歩が始まる!」

ズボッ


ん?何やら変な音があぁぁぁぁぁぁ!落ちるー!なんで穴があんだよぉぉぉぉ!


「ワフウゥゥゥゥゥ!」


………


ふう、なんとか無事みたいだな…


「なんでこんなことばっかなんだよお…」

「ワウゥ…」

「ここは何処なんだ?あの森の下なのは間違い無いんだが…何も見えないな」


これはあまりにも状況が詰みすぎてるな…せめて光源を確保しないと…

あ!!魔法のことを完全に忘れていた!俺としたことがまさか、魔法を忘れるなんて…

よし!まずは、ステータス!


「おおっ!」


何々?体力4000筋力200の敏捷300…大体どれも200前後だな、それで魔力が…1000!!これは多いのでは!?ただ体力は…これどうなんだ?ま、いいか!そんなことより魔法の欄はーっと火、水、風、雷、地、聖、闇の初級魔法と、この火の初級魔法「ファイア」を使えば光源になるのか?


「よし、なんとなくわかったぞー」


あれ?でも魔法はどうやって使うんだ詠唱とか必要なのか?ま、一旦それっぽく…


「ファイア!」

「ワフッ!」

「おぉ!やった!イメージの通りだ!」


夢がどんどん叶っていく…って感動してる場合じゃなかった


「光源も確保したしすぐに脱出だ!」

……………


「とは言ったものの、何もないな…」

「ワフゥ…」

「何処かしらに穴とかがあると思ったんだけどなあ」

「ワウ!ワウ!」

「おわっ、どうした権三郎?何か見つけたか?」

「ワウゥゥゥ、ワウ!」

「何かいるのか?」

「ワウッワウッ」


嗅覚も鋭くなってるのか?それより何がいるんだ?この大きさの穴にいるやつなんだ警戒しないと…


「モキュ!」


モキュ?何かの鳴き声か?


「わあっ!何かいたぞ!」

「ワウッ!」

「これは…ウサギか?」


この白い毛並みに長い耳、完全にウサギだ…俺とほぼ同じ大きさであることを除けばだが


「おわっ!なんだこのウサギ!」

「ワウッワウッ!」

「モキュ?」


敵意はなさそうだな……よく見ると可愛い気さえしてきたぞ


「モキュ?」

「まあ、ちょっと撫でるくらいなら大丈夫だよな!よし!」

「今だ!もらったぁ!」

「ゴフェ…」


いっっった!死ぬ死ぬ死ぬって!やばいやばい


「あれ?兄ちゃん意外とタフなんだな?ま、もう碌に動けねえだろ。

あとはこの犬っころをやるだけだぬぁぁぁあ!?」

「ウサギめよくも主を…!許すまじ!」


『近野龍司にテイムされている飼い犬:権三郎がスキル異種間言語を習得しました。』

え?えぇぇぇ?権三郎が人語話し始めたよ…スキルってそんなほいほい取れるもんなの?


「主!大丈夫ですか!?今お助けいたします!」


『テイムされたモンスターからテイマースキル:「体力分配」の使用申請が行われました。許可しますか?』

こ、これは許可でいいのか?


「き、許可する!」


『テイマースキル:「体力分配」の使用が許可されました。これによりテイムモンスター:権三郎と体力の減少を分配します。』

う、うわっ!光ったと思ったら…体が治ってる?いや完治はしてないがかなり良くなってるな

さっきの体力分配の効果なのか?まさか!分配ってことは権三郎も怪我を…ってピンピンしてるなあ、

俺、もしかしなくても犬に全ステータス負けてないか?


「権三郎〜、助かったぜ〜!命の恩人ならぬ命の恩犬だな!」

「主のお役に立てたのならば何よりでございます。」

「ってそうだ、なんでお前喋れるようになってるんだ?」

「喋れるようにとは?…はっ、い、いつの間に!」

「お前自分で喋ってて気づかなかったのかよ」

「主の非常事態に焦っていて全く…原因ですが、おそらく私が常日頃主をサポートしたいと思っていたのがスキルに反映されたのではないでしょうか?」

「お前そんなに俺の事を…」

「来る日も来る日も部屋に篭り切りの主の健康がとても心配でして」

「グハッ!」


優しさが心を抉ってくるぜ


「あ!そうだウサギはどうなったんだ!」

「おそらくまだ生きているはずです」


その時ウサギの吹き飛んで行った方向から足跡が近づいてきた

その影はモフッとした毛並みの丸っこいウサギ…ではなかった


「いやなんで人型になってんのお!?」


え、何この世界第二形態あるやつがこんなほいほい出てくんの!?

てかそもそもなんでそんなかっこいい感じになっちゃってんの!?


「主!お下がりください、何が起こるかわかりません」

「お、おう!権三郎気をつけろよ、俺の偏見だが…変形するやつは大体強い!」

「はっ、心得ました主!さあ、こいウサギ!主にはもう毛の一本も触れさせん!」

「フェンリル様!いや、師匠!」

「お前は何を言っているのだ?」

「お見それしやした!あっしを弟子にしてくだせえ!」

「何がどうしたらそうなる!」

「師匠にボコボコにされてよくわかりました。腕っ節には自信のあったあっしもまだまだ力不足!所詮大海を知らずに井の中で粋がっていた蛙と気づいたのです!だからあっしを弟子にしてくだせぇ!」

「だからなぜそうなる!別に我に頼らずとも体を鍛える方法などいくらでもあるだろう!大体なぜお前なんぞに主との旅を邪魔されねばならん!」

「あっしを一発で倒して見せた師匠以上の適任はいませんよ〜」

「まずはそのお師匠と呼ぶのをやめろ!」

「やめたら弟子になれるんっすか?」

「するわけなかろう!そもそもだな…」

「だからそれは…」


疎外感…

あいつらが落ち着くまでステータスでも見てるか…さっきのテイマースキルってのも気になるしな

ステータスオープン! いやーこれ楽しい〜!何度でもやれるなあ

さてと、テイマースキル…あ、あった。なになに?

テイマースキル:自己及びテイムした魔物に影響を与えるスキル。テイムした魔物からの使用も可能。

なるほどね〜、今あるのは体力分配だけか、これからバフスキルとかも増えるのかな〜想像が広がる!

あれ?権三郎のステータス欄もあるな、種族がフェンリル(守護犬)やっぱりか…でも守護犬ってのはなんだ?ま、いいか。次はステータスに…えーっと、ん?見間違いか?落ち着け俺よ、よし、体力が12000!?筋力700に敏捷1000って全ステータス俺の3倍以上じゃねえか!なんだこのバケモン!

なんとなく予想つくけど、スキルは…御手-優雅に敵を叩き潰す、風爪-爪から風の刃を飛ばす。

風爪とかかっこよすぎんか!?あとは人化と風脚、執事補正か、ふむふむ……人化ぁ!?!?これで人になれるなら街にも…!


「主!助けてくだされぇ〜」

「師匠〜今あっしを弟子に取ったらお得ですよ〜」

「セールスマンかよ!んで権三郎こいつどうすんだ?」

「絶対に弟子には致しません!」

「師匠〜お願いしますよ〜」


このウサギ(?)、見た目はかっこいいのになんでこんな残念なことに…

はあ、いつになったら俺はまともな旅を送れるんだか…


龍司たちはこの最初の出会いによって、自分たちの旅が一切まともでなく波乱だらけになるとは知る由もないのだった。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー2日おきほどで更新していくのでぜひブックマーク等お願いします!

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