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プロローグ 〜飼い犬 権三郎の場合〜


吾輩は…おっとこれでは某傑作と被ってしまう

我は飼い犬である。

名前は権三郎、何を思ったかこの珍妙な名前をつけたのは20歳の辛うじて大学生を名乗っているドがつくオタクにして、我が主、近野龍司なのだが…


「まずは今の状況について話すかのお」


どういう訳か、今見知らぬ白い空間で見知らぬ老人と茶をしている。

さて、ことの発端はつい数分前なのだが…


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

「パラリ…パラリ」


かれこれ3時間ほどいつものように主は部屋に篭り書を読んでいるようだが、

飼われている身としてはなんとも主の健康は気になるものである。


一度外にでも連れ出そうと思い部屋に入ったのだが途端に床が白く光出すではないか!

またしても主が面妖なものを購入したかと思ったのだが…


謎の白い部屋に居る今の状況を見るにそうではないようだ、

何者かの気配を感じたので警戒し気配を殺しつつ近づいていったのだが…


「フォッフォッフォ」

「そう警戒せんでもわしゃ怪しいもんではないぞ」


この状況下で怪しくないなど不審極まりない…何者なのだろうか?

と思案していると


「確かにそれもそうじゃのぉ」と長い顎髭を蓄えた老人がやってきた


自覚があるなら名乗れば良いのでは?と考えていたら


「わしゃお前さんにわかりやすく言うと神、といったところかのお」


まさか、神様で有らせられたか。


「まあ、そう畏まらずとも良い。一度ここに座って茶でもせんか?」


と、神様が言うと机と椅子が現れた。

今更気づいたがどうやら思考が筒抜けのようだな。神様の力というのは便利なものだ


では、お言葉に甘えさせていただこう

「さてと何から話そうかのお。と、その前に」


 トポトポ


美味しそうな緑茶だがこの手では飲みづらいな

「この空間ならその体でも大体のことはできるぞい」

なんと!この犬生においてよもや茶を嗜む日が来ようとはな…やはり犬生は驚きに満ちているな


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


と今に至る訳だが…


「まず、今いるのは世界と世界の通路、のような場所じゃな」

「お主が先ほど見た白い光によってここに飛ばされたのじゃ」

あの光が…ということは主もここにいるのだろうか?

「それについてなんじゃが…」

「本来お前さんの主、龍司君だけが他の世界に飛ばされるはずだったのじゃ」

「だがそこにお前さんが入ってきてしまったが故に今お前さんだけをこの通路にとどめているのじゃよ」

何故主がそんなことに?

「まあ、言ってしまえば間引きじゃな」

間引き、とな

「人が増えすぎたから発展途中の世界に飛ばしてしまおうという訳じゃ」

つまり主は不要な存在と?

「そうは言わんが、龍司君、引きこもってばっかりだからのお」


それを言われるとなんとも言えぬな…


「龍司君と違ってすごくいい子じゃのお…まあ、何もそのまま放り出そうってわけでもない」

「龍司君には魔法が使える力と少しばかり身体能力を上げておいたぞ」


おそらく主が興奮して失礼な態度をとったのだろう、その様子が易々と目に浮かんでしまう…申し訳ない

それと魔法?主が度々語っていた不可解な夢の力か。


ならば安心なのだろうか?

「それでお主にも力を与えるんじゃが…」

「今言った力に加えてお詫びの印に何か望んだ力を一つ与えようと思う」


望んだ力か…


その世界には巨大な犬などはいるだろうか?

「いるぞ?」

ならば、我の体を大きくしていただけないだろうか

「身体の巨大化じゃな?お安いご用じゃ」

「最後に他に聞きたいことなどはあるかのお?」

ふむ、質問か…我らは街の中などに飛ばされるのだろうか?

「街中だと人目につくから街の近くの草原に行くことになっておるぞ」


なるほど、ありがたい。


ではそろそろ主の元へ行かねばならぬゆえ送っていただけないだろうか

「了解じゃ」

この世界でありとあらゆる害から主をお守りするのが我の役目!

「いい心意気じゃ。では、送るぞー」

説明に力の付与、誠に感謝する。

「職務じゃからいいんじゃよ。それでは、お主らの異世界生活に幸在らんことを〜」

………………………………………


ん?無事に転移が終わったようだな…

視点がかなり上がった気がするが今我はどのくらいの大きさなのだろうか


さて、まずは早急に主を探さねばなるまい近くには居ると思うのだが…

おや、あそこにいるのは…主ではないか!

主!


「ワウッ」


主も我に気づいたようだ


「ワウワウッ」


…バタッ


あ、主ー!

主が倒れてしまわれた!

な、なぜだ…まさか、この巨大になった体のせいか?主を守ると言ったにも関わらず自ら主を害してしまうなんて!

反省は後だ!まずは主を街までお運びせねば!

待っててください主!


………………………………………


これが正反対とも思える1人と一匹の騒々しく、よく言えば賑やかな旅の幕開けである。


不定期ですがこれからも投稿するのでよろしければブックマークや感想書いていただけると嬉しいです!

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