二度目(?)の戦闘と大爆発
フロウ視点です
リューネル付近の森、入り口
「ここまで長かった…
異世界に来て、ハプニングの連続。
ついに、ついに!この俺の力を世に示す時が…
来た!!!」
何やら主が呟いているが…
「魔法使いかー!敵や一方的に超高火力で一掃し、後方から味方も支援する!いやー浪漫だねぇ!」
危険な匂いしかしない…
「…師匠、めっちゃ心配なの俺だけですか?」
「奇遇だな、我もだ」
「ご主人、絶対このまま戦わせたら何かやらかしますよ」
このまま行ったら森林火災でも起きそうですね…
「…デンドロ、主がああしてるうちに森狼の群れを狩って来い」
「良いんすか?」
「主にはスライムと戦って満足してもらおう」
「…わかりやした。」
「いや、やはり目指すは魔剣士だ!魔法を纏った剣で、敵をバッタバッタと薙ぎ倒し、爆発させて敵を壊滅!よし、フロウ!デンドロ!行くぞ!」
何やらもっと恐ろしいことを言ってる気がするが気のせいだろう、
「主よ、デンドロが森狼を探しに行きましたので我々は一度スライムでも討伐しませんか?」
「ゲームはチュートリアルからだしな!そうするか!」
ふぅ、どうやら無事誘導できたようですね…
「あちらにスライムがいるようなので向かいましょう」
何もないと良いのですが…
「よっしゃぁ!行くぞ!」
ふっ、主が楽しそうだから良いか。何かあったら我がどうにかしよう
「これが…あの!あの!スライム!」
そこには、イメージ通りの青いゼリー状のスライムがいた。
「っくぅ!あの、ゲーム見たいなスライムが生で見れるなんて!ほら、見ろフロウ!ぷるぷるしてるぞ!」
主がはしゃいでいる、かわいい。こんな子供のようにはしゃぐ主は、いつぶりに見たことか……数ヶ月前にフィギュアを購入した時以来だな…まあ、それは良い
「主、油断しないでください!ゲームで弱いといえどここは現実です、何かあったら遅いのです。」
「もちろんわかってるって!じゃあ、火は洞窟で使ったから次は…風にしよう!」
「風魔法でしたら、我も使えますよ」
「確実に威力負けてるな…じゃあ水魔法にするか」
「よし、『ウォーターボール』発射!」
主の魔法を食らったスライムは光の粉となって消えていった
「お見事です!」
「これが俺の実力よぉ!」
実際は我がこっそり風魔法を使っていたのだがそれ
は秘密だ
「よし、フロウ!あっちのスライムも狩るぞ」
「わかりました」
「よし、水と火の検証もできたしアレ、やっちゃいますか!中学時代にこんなこともあろうかと調べたアレを!」
「主?何をするつもりですか?」
いま、背筋がゾワっと…
「ん?ああ、水蒸気爆発を試してみようと思ってな。まず、水を球体で固めてっと『ウォーターボール』次に、細かい砂を加熱して…」
主が楽しそうだ…
「あ、容器がないな…フロウ、これ風で覆えないか?」
「お安い御用です!」
主からの頼みごと!!
「よし!あとはこの水を浮いたまま普通の水とくっ付ければ…ファイヤー!」
「危ない!!」
ドッカーン!…バキャ
「主?」
「いや、確かにね?魔法で多少は強くなるかもなーとは思ってたよ?思ってたさ、でもさこれはおかしくない?な、つまりこれは過失なんだ!」
「いえ、私も協力してしまいましたから…
とはいえ…どうしましょうか、これ」
目の前には、草原…ではなく抉れた焦土が広がっていた
「師匠ー、ご主人ー!ってどうしたんすかこれぇ!?」
「実はーーーーってことがあってな」
「森狼狩らなくて良かったっすねー。森でやってたら今頃森が大火事ですよ」
「ってお前何持ってんだよ!」
「え、いや、何って、森狼の首っすよ?」
あの馬鹿め…
「首はいらん!討伐証明部位の牙だけ取ってくればよい、や説明しただろうが!」
「え、そうなんすか!?地元じゃ首取るのが普通だったのでつい…」
「お前の地元やべえなぁ…」
「さぁ、日も落ちてきましたので街に戻りましょうか」
「だな!って早く換金しないと、行くぞ!」
「了解です!」「了解っす!」
「はい!確かにお代いただきました!」
「いやー、スライムも買っといて良かったなー」
「ええ、少し懐に余裕ができましたね」
「あ、先輩!」
「あ、後輩。金足りた?」
「なんとか稼いで来ましたよ!」
「おつかれさん。おやすみ」
「ありがとうございます!おやすみなさい!」
ふぅ、色々あったがなんとか一日が終わった…
「さぁ、我々も早く寝るとしましょうか」
「そうだな、おやすみー」
明日こそは平和に過ごせれば良いが、これがフラグという物なのだろうか…
超短め