表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

お姉ちゃんと先輩

作者: 874

『愛』を題材とした掌編小説です。

私は、世界で一番可愛くてかっこいいお姉ちゃんが大好きだ。

そんなお姉ちゃんが恋をしているらしい。


一体どんな相手なのか、気になって仕方がない。


しばらく調査を続けると――うーん、あのおばあちゃんの荷物を持ってあげてるし、野良猫に餌まであげてる。

「……優男だなあ、典型的な。」


悪くない、むしろ良い人だ。だけど、なんだか面白くない。なんでだろう。

そのままなんだかんだで一週間くらい、ストーカーみたいに観察している私。毎日帰り道に偶然を装ってついてみたり、図書館で横に座ってみたり……。


「何してるんだろう、私。」

そろそろやめようかな、お姉ちゃんと先輩の邪魔になるかもしれないし。


帰宅し、ベッドに倒れ込む。

「先輩に任せてもいいのかな……?」

でも、先輩は私の友達にもやたら馴れ馴れしいし、女たらしだし。

「それに、私にも優しかったし……いや、それが証拠でやっぱり女たらし!」

自分の中で一人言を続けながら、リビングから「ご飯だよー」という声が聞こえてきた。

「って、もうこんな時間?」

ご飯を食べて、お風呂に入って寝る準備。


布団に入っても、心のモヤモヤが止まらない。眠れない。

気づけばスマホを手に取り、指が勝手に動いていた。

『私が先輩に対して抱いているこの感情はなんですか』

そう質問箱に投げかけてしまっていた。


しばらくして一件の回答が返ってきた。

『「相手の好きなものを好きになる」という愛の感情の一つではないでしょうか』


先輩はお姉ちゃんが好きな人だから、私がお姉ちゃんを好きなら、好きになっても不思議じゃない。

……そうなんだろうか?

それとも――


思わずスクロールした先にあったのは、こんな一文だった。

『もしくは、貴方がその先輩に恋をしているのではないでしょうか』


望んでいた答えのはずなのに、知りたくなかった答え。

胸がギュッと苦しくなり、私はその夜、なかなか眠れなかった。

語彙力図鑑という本を使って作品を投稿し、面白い作品が描けるように頑張ります。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ