9話:決断のとき
ルーメリア王国の王宮は夜の帳が降りるにつれて、緊張感と不安が増していた。ヘルミオ・カスティウスの暗殺から数日が経ち、王宮内は混乱と疑念に包まれていた。第3王妃シャロンは、幽閉された部屋の窓から外を見つめながら、深い思索にふけっていた。
「これでどうなってしまうのかしら?」シャロンは窓の外をぼんやりと眺めながら呟いた。
彼女の侍女であるリーナが静かに部屋に入ってきた。「シャロン様、お気分はいかがですか?」
「リーナ…。」シャロンは振り向き、彼女に悲しげな目を向けた。「状況が一層厳しくなっているわ。私がヘルミオを排除するよう命じた結果、これほどの混乱が引き起こされるとは思ってもいなかった。」
「第一王子様の側からの圧力が強まってきています。」リーナは心配そうに言った。「私たちの立場がさらに危うくなってきました。」
「分かっているわ。」シャロンは肩を落とし、深い溜息をついた。「でも、今さらどうしようもない。私の決断が全てを狂わせたのよ。」
王宮内での調査が進む中、ヘルミオの死が実際には第3王妃シャロンの陰謀によるものであることが次第に明らかになってきた。第1王子は、真実を突き止めるために緊急の会議を開いた。
「シャロンの失態が、いかに深刻な問題を引き起こしたか、我々はしっかりと認識しなければなりません。」第1王子は厳しい表情で語った。「調査の結果、彼女がヘルミオを暗殺するよう命じたことが明らかになりました。これにより、王国は大きな混乱に陥りました。」
「第1王子様、シャロンが陰謀を巡らせていたことが証明されました。」王宮の諜報部長が報告した。「彼女の行為によって、王国の安定が脅かされ、多くの人々が苦しんでいます。」
「シャロンの行為には、当然ながら責任を取らせなければなりません。」第1王子は冷静に決断を下した。「彼女の行動が引き起こした混乱を収束させるため、適切な処置を取る必要があります。」
シャロンは、幽閉された部屋で過ごす日々の中で、運命を受け入れる準備をしていた。彼女の部屋には、数名の衛兵が常に付き添っており、外部との連絡は完全に断たれていた。
「この状況が、私の運命を決定づけるのね。」シャロンは一人、静かな声で呟いた。部屋の中には、シャロンがこれまでの人生で積み上げてきた書物や宝飾品が並んでいたが、そのすべてが彼女の過去の栄光を象徴していた。
部屋の扉が開き、第一王子が入ってきた。「シャロン、あなたの行為が引き起こした混乱について、私たちは深く考えなければならない。」
「第1王子様…。」シャロンは振り返り、彼に向かって顎をあげて見下ろしながら吐き捨てるように言った。「あなたがしたことが、どれほど多くの人々に痛みを与えたか、私は理解しています。あなたの行為がもたらした結果について、私の死をもっても拭い去ることはできないわ。」
「そのようなの言葉だけでは済まされません。」第1王子は冷徹な声で言った。「あなたの行動がもたらした混乱と不安を収束させるためには、責任を取らせる必要があります。」
「あなたが過ちをうけいれるのを期待はしていないわ。」シャロンは静かに答えた。「ルーメリアの過去の栄光が、これからのあなたを救うことはないでしょう。」