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89話:螺旋階段の先にて

レンデとエリスは螺旋階段を上りきり、古びた扉を開けた。その先に広がる部屋は、暗い雰囲気を漂わせていた。部屋の中には数冊の古い書物と一つの古いベッドが置かれ、そこにひとりの黒いフードの魔術師が座っていた。


その魔術師は、部屋に足を踏み入れた二人を見て、まるで予期していたかのように落ち着いた様子で言葉を発した。「きたか。待っていたぞ、ようやく3人が来るのを待っていた。」その口調には、どこか余裕を感じさせるものがあった。


エリスが警戒を強めながら魔術師を見つめた。「誰かと思えば、あなたがここにいたのですね。」


魔術師は黒いフードをゆっくりと外し、その顔を明らかにした。顔立ちは年齢を感じさせるが、どこか鋭さを持っていた。しかし、彼はレンデとエリスだけがそこに立っていることに気づき、少し眉をひそめた。


「おや?どうやら、予想とは違うようだな。」魔術師はレンデとエリスをじっと見つめながら、冷ややかな目で言った。「お前が二人か。」


レンデはその言葉に戸惑いを隠せずにいた。「二人?どういう意味ですか?」


魔術師はレンデをじっと見つめ、彼の言葉を続けた。「お前の中にはもう一人いるな。感覚的には、もう一つの存在が感じられる。」彼の目は鋭く、まるでレンデの内面を見透かそうとしているかのようだった。


「私の中に…もう一人?」レンデは見透かされているような感覚になし、心の中でその感覚に敏感になった。

「それはどういうことですか?」レンデは平静を装いながら震える声で返した。


エリスは心配そうにレンデを見ながら、魔術師に問いかけた。

「それが何を意味するのか、説明してもらえますか?」


魔術師はゆっくりと立ち上がり、深い溜息をついた。「そうか、まだ気づいていないのか。お前の中には、私が探し求めていた存在が封じ込められているようだ。それが何かは分からないが、少なくとも我々の計画には大いに関係がある。」


レンデの心の中で不安と疑念が渦巻く中、エリスは冷静に言い切った。「あなたの言う『存在』が何か分からない以上、私たちには今は関係がないわ。縛らせてもらうわ!」



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