８４話：魔法部隊の戦術
アレクサンダーはテント内の地図を指差しながら、状況を説明し始めた。
「エリス、レンデ。現状を把握してもらうために、詳しく説明します。」アレクサンダーは慎重に地図の上に指を置いた。「現在、王都は強固な防御を構築しており、我々の包囲戦線は長期間にわたって膠着状態にあります。敵の防衛線は非常に堅固で、突破口を見いだすのが困難な状況です。」
彼は地図上の位置を指し示しながら続けた。「この赤い線が敵の防御線で、ここに至るまでの進行がほぼ阻止されています。包囲戦における最も大きな問題は、敵の物資補給が非常に巧妙に行われていることです。そのため、我々が攻撃するチャンスを得るためには、何らかの突破口を見つける必要があります。」
エリスとレンデは熱心にアレクサンダーの説明に耳を傾けた。戦況が厳しいことは理解していたが、実際に状況を詳しく知ることで、その厳しさを実感した。
「それで、私たちがこの状況で果たすべき役割についてですが…」アレクサンダーはエリスとレンデに向き直り、「君たちは魔法系の力が高いということで、魔法部隊に配置されることになった。君たちの役目は、敵の防御を掻い潜り、重要な地点への攻撃を支援することだ。」
エリスは少し考え込みながら言った。「魔法部隊に配置されるのは初めてですが、具体的にどのような任務が与えられるのでしょうか？」
「君たちには主に二つの任務があります。」アレクサンダーは一つ一つ説明していった。「第一に、敵の防衛線を突き崩すための魔法攻撃を担当してもらいます。これには敵の魔法障壁やトラップを打破するための特別な魔法が必要です。第二に、我々の部隊が敵の陣地に進攻する際のサポートをしてもらいます。つまり、部隊の進行を補助するために、敵の支援部隊や物資の補給路を妨害する任務です。」
レンデが前に出て、口を開いた。「そのためには、敵の魔法や防御システムに関する情報を事前に収集する必要がありますね。何か具体的な情報はありますか？」
アレクサンダーは頷いた。「はい、その通りです。現在、我々は敵の防御や魔法の配置についてある程度の情報を得ていますが、君たちの助けがあれば、さらに詳細な情報を収集し、効果的な攻撃を行うことができるでしょう。」
「わかりました。」エリスは決意を込めて答えた。「私たちはこの任務を全力で遂行します。」
「その意気込みが必要です。」アレクサンダーは微笑みながら言った。「君たちが加わることで、戦局が少しでも好転することを願っています。」
その後、エリスとレンデは魔法部隊に配属され、準備を整え始めた。部隊のリーダーは、彼らに対して現在の戦況や敵の防御に関する詳細な情報を提供し、作戦の具体的な指示を伝えた。
