表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
80/198

80話:戦火の中の帰還

二週間の鍛錬を終え、エリスとレンデは火山の祠を後にして、山を下りる決意をした。彼らの心には、新たな力を得た安堵感と、再び戦乱の渦中に戻ることへの不安が交錯していた。彼らの目的は、エリスの領地の様子を確認し、今後の行動に備えることだった。


山を下りる途中、エリスとレンデは西に向かい、エリスの領地に向かう道を選んだ。彼らは、街や村で情報を集めるため、商人や住人に話を聞くことにした。エリスは、久しぶりに見る故郷の風景と、その周囲の情勢がどうなっているかを心配していた。


「このあたりの状況はどうなんだろう…」エリスが少し不安そうに言った。


「ここまでの話では、戦闘はまだ続いているみたいだよ。」レンデは周囲を見渡しながら応えた。「町の人たちも、王都が逆包囲されているって噂してる。」


エリスとレンデは、町の広場に立ち、通行人や商人たちと話をしながら情報を集めた。商人の一人が、いかにも知っているように話し始めた。


「最近の噂で聞いたんだが、王都の周りに辺境の貴族たちが集まって、合同軍を編成してるらしい。」商人が目を輝かせながら言った。「さらに、東部国境の守備部隊と合流して、リーヴァルト王国軍を包囲してるんだってさ。」


「本当に?それは大変だ。」エリスは驚きの表情を浮かべた。「つまり、戦闘はまだ収束していないということね。」


「そうだよ。なんでも、リーヴァルト王国軍の防御が強固で、簡単には突破できないらしい。戦況は長引いてるみたいだ。」商人は肩をすくめて言った。


村の住人からも同様の情報を得た。戦火の影響で、辺境貴族の合同軍とリーヴァルト王国軍との間で、激しい戦闘が続いているというのだ。戦争の渦中にあって、王都の包囲はかえって厳しくなっているようだった。


「戦況がこれほど厳しいとは…」レンデが考え込んでいた。「エリスの領地の状況がどうなっているのか心配だね。」


エリスは決意を新たにし、領地に向かう道を急ぐことにした。「私たちの領地の様子を確認しないと。もし何かあったら、すぐに対策を講じなければ。」




やがて、エリスとレンデは無事にエリスの領地に到着した。領地内は比較的静かで、住人たちは戦争の影響を受けながらも、なんとか生活を続けている様子だった。エリスは安堵の表情を浮かべ、領地の現状に安心した。


「大丈夫そうね…」エリスはほっと息をついた。「少しでも平穏が戻っていて良かった。」


レンデも同様に安心し、エリスの肩に手を置いた。「これからどうするかは、もう少し様子を見ながら決める必要があるね。戦況はまだ流動的だから、慎重に行動しよう。」


エリスは頷き、再び静かな日常を取り戻した領地で、今後の対策を考える決意を固めた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ