79話:燃え上がる力の試し
エリスは祠の広場の端に立ち、レンデの試し打ちを見守っていた。レンデの新たな力に感動しながら、自分の力を試す準備を整えていた。エリスの目には、これから自分が発揮する魔法の結果がどれほどのものになるか、期待と緊張が入り混じっていた。
「エリス、君の力も試してみて。」レンデが笑顔で言った。「これまでの鍛錬の成果を見せてくれ。」
エリスは頷き、準備を整えた。彼女は火球を放つための魔法を集中させると、両手を前に突き出し、瞳を閉じて魔力を集め始めた。彼女の周りには微かに赤い光が漂い、その光が徐々に強くなっていく。エリスは心の中で魔法の詠唱を始めると、手のひらから火球が現れ始めた。
「ここまで集中して…」エリスは自分に言い聞かせるように呟いた。
その火球は次第に大きくなり、人の頭ほどの大きさに成長した。エリスはそれを見て、手に持つ火球の重さと熱さを感じ取った。彼女の手からは熱気が発し、周囲の空気が揺れる。
「これでいいわ…」エリスは呟き、火球を前方の立木に向かって放った。火球が空気を切り裂きながら進むと、その動きはまるで流星のように見えた。火球が立木に命中すると、激しい爆発音と共に立木は吹き飛び、煙と木の破片が空中に舞い上がった。
「わぁ…」エリスは驚きの声を上げ、目の前に広がる光景に感動していた。「こんなに強力な魔法が使えるなんて…」
レンデが彼女に向かって微笑み、拍手を送った。「すごい、エリス!君の力も確実に増している。あの火球の威力はかなりのものだ。」
ヘルミオの声がレンデの頭に響いた。(「エリスも素晴らしい。彼女の魔法の威力は確かに強大だ。これでRANK4に到達したといえるだろう。そしてさらに力を磨き続ければ、もっと強くなれるだろう。」)
エリスは自分の手に残る魔力の感触を確かめながら、レンデの言葉に頷いた。「ありがとう、レンデ。これからももっと力をつけて、役に立てるように頑張るわ。」
レンデはエリスの肩に手を置き、励ましの言葉をかけた。「そうだね。君の力がもっと強くなれば、どんな困難も乗り越えられるさ。これからも共に戦っていこう。」
エリスはレンデの言葉に力を得て、さらに自分の鍛錬に対する決意を新たにした。二人の前には、まだ多くの試練と戦いが待っているが、彼らは力を合わせて前に進む準備が整っていた。