７２話：火の行く先
エリスとレンデは、夜の闇を静かに進みながら、互いの言葉を交わしていた。エリスは、心の中で不安を抱えつつも、決意を新たにしていた。その時、ヘルミオの声がレンデの心に響いた。
（「レンデ、エリスを鍛える必要がある。彼女の現在の実力では、非常に困難な状況に対処するのは難しい。以前、私が50年前に学んだ知識が役立つかもしれない。」）
レンデはエリスに目を向け、「エリス、少し立ち止まって話をしよう。」と言った。
エリスは馬の歩みを止め、レンデに向き直った。「どうしたの？」
レンデは少し考え込みながら、口を開いた。「提案なんだけど、君の実力をもっと鍛えなければならないと。具体的には、東の方に火山近くの祠があるんだ。50年前に使われていた場所で、鍛錬を行うには最適な場所だと思う。」
エリスは驚いたような表情でレンデを見た。「火山近くの祠？そこがどうして？」
（「その祠には、特殊な環境が鍛錬に適している。火山の近くにあるため、厳しい条件下でのトレーニングが可能だ。また、その場所は隠れやすいので、敵の目を逃れながら鍛錬するにはうってつけだ。」）
レンデは続けた。「この場所で、君のスキルをより高めるための訓練ができる。火山の近くは過酷だけど、それだけに得られる成果も大きいはずだ。そして、隠れ家としても最適だと思うんだ。」
エリスは真剣な表情で頷いた。「なるほど、それなら行ってみる価値はありそうね。訓練をしながら身を隠すことができれば、一石二鳥だわ。」
レンデはうなずき、さらに話を続けた。「そうだね。東に向かう途中で、火山の近くにある祠を目指そう。それが私たちの新しい拠点になるかもしれないし、君の実力を向上させるための第一歩になるだろう。」
（「また、火山の近くの祠には、特別なエネルギーが流れていることもある。鍛錬をするだけでなく、そのエネルギーを利用することで、より効果的なトレーニングが可能だ。」）
エリスはしばらく考えた後、決意を固めた。「分かったわ。火山近くの祠へ向かいましょう。そこが私たちの新しいスタート地点になるように、全力で頑張るわ。」
レンデはエリスの決意を感じ取り、馬の手綱を引いた。「それじゃ、すぐに出発しよう。道中の安全も考えながら、できるだけ早く目的地に到達しよう。」
二人は再び馬を進め、東の方角に向かって進んだ。火山の近くにある祠を目指して、厳しい環境での鍛錬と身を隠すための準備を整えるための新たな旅が始まった。
