７１話：戦力の限界
エリスとレンデは、深夜の静けさの中で領地を離れ、2頭の馬に乗って逃げる準備を整えていた。月明かりが辺りをほのかに照らし、暗闇の中で彼らの影を長く伸ばしている。エリスの馬とレンデの馬は、領地の外れに向かって静かに進んでいた。
馬の足音が草を踏む音だけが、夜の静寂を破っていた。エリスは馬の背に座り、慎重に周囲の状況を見渡しながら、レンデに話しかけた。「レンデ、まだ暗いけど、これからのことについて話したいことがあるの。」
レンデは馬を少し寄せ、エリスに向き直った。「分かった、エリス。何を話したいの？」
エリスは少し躊躇しながらも、続けた。「私がRANK3だってこと、知ってるよね？私の実力では、主力として戦うには足りないことは分かっている。レンデ、君のRANK5に比べれば、どうしても見劣りしてしまう。」
その時、レンデの頭の中でヘルミオの声が響いた。（「レンデ、エリスのRANK3の実力について、少し説明しておこう。彼女の実力は、一般兵と同程度であり、主力として戦うには心許ない。」）
レンデは真剣な表情でエリスを見つめた。「確かに、RANK3の力では厳しい戦場に出るのは難しいね。でも、君が持っている能力や知識は無視できない。だからこそ、君を守りながら進む必要がある。」
（「レンデ、理解しておいてほしい。RANK4以上の力を持たないと、主要な戦闘に参加するのは難しい。君がRANK5であれば、少なくとも魔法兵の隊長やエリート兵レベルの実力を持っているが、RANK3のエリスにはその役割を果たすには力不足だ。」）
エリスは感謝の意を込めて言った。「ありがとう、レンデ。でも、私たちの今の状況では、君の力だけでは足りないかもしれない。私が少しでも戦力になれればと思うけれど、現実的に難しいことも分かっている。」
レンデはエリスの言葉に耳を傾け、しばらく考え込んだ。「君のRANKが3でも、君自身の判断力や冷静さは大きな武器になる。私たちがうまく連携すれば、十分に生き延びる可能性はあると思う。」
（「それに加えて、レンデ、もしエリスが危険な状況に直面した場合、君がどれだけ強くても、RANK3のエリスを守りきるのは難しいかもしれない。状況に応じた冷静な判断が求められる。」）
「でも、万が一の時には、どうするべきか考えておかないと。」エリスは深刻な顔で言った。「もし追手に見つかった場合、君一人で全員を防ぐのは難しい。だから、私ができるだけ邪魔にならないように努力する。」
レンデはエリスの決意を感じ取りながらも、彼女を安心させるために言葉を続けた。「エリス、君が努力しているのは分かっている。だけど、君自身の安全も最優先に考えなければならない。私たちがうまく協力すれば、何とかなるはずだ。」
（「レンデ、君のRANK5であれば、エリスの守護に徹することで、彼女のRANK3の限界をカバーできるだろう。二人の連携がカギだ。」）
