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64話:王の間の暗闇

ルーメリア王国の敗北が決定的となった今、王都は厳しい状況に直面していた。かつて繁栄を誇った王都も、今や5,000人の守備部隊だけが残り、危機的な状態に置かれている。戦争の激化と共に、街の灯りが次第に消えていった。王の間は暗闇に包まれ、王は孤独に俯いていた。


王の間の大広間では、燭台の明かりが消え、深い闇が支配していた。王はその中央に座り込み、頭を抱えていた。彼の心中は、敗北と無力感、そしてどうしようもない未来への恐怖でいっぱいだった。戦況が悪化する中、彼の表情には絶望の色が色濃く浮かんでいた。


「どうしてこんなことに…」王は呟き、自身の無力さに悩まされていた。


王城では、貴族や諸侯たちが王の命を受けて集まり、王都の防御策について激しく議論を交わしていた。議論は白熱し、各々が提案する防衛策や撤退プランが交錯したが、意見はまとまらず、結論には至らなかった。


「城壁の修復は急務だ!」とある貴族が声を上げると、別の貴族が「それでは兵力が足りない!」と反論した。


議論は次第に紛糾し、各々の意見がぶつかり合う中で、まともな決定を下すことは難しかった。結局、会議は結論が出ないまま、解散することとなった。


王の間の外では、王都の守備部隊が不安と緊張に包まれていた。彼らは数少ない兵力で、いかにして王都を守るべきかに頭を悩ませていた。しかし、情報の不確かさと兵力の不足が彼らの士気を削ぎ、守備の準備はままならない状態だった。


リーヴァルト王国軍は、戦争の準備を整え、翌日正午にルーメリア王都に迫っていた。その軍の動きは迅速で、王都の防衛ラインが整えられる暇もないほどの速さであった。


リーヴァルト王国軍は、王都の四方を取り囲み、その圧倒的な軍勢で包囲網を築いた。特に王城の周囲には厚い兵力を配置し、王都への進入を阻むための戦術を展開していた。これにより、王都の防衛は困難を極め、避けられない降伏が迫っていた。


唯一、西門だけは監視が緩められており、そこを通じて住民が避難するための出口として利用されていた。住民たちは、わずかな隙間を利用して逃げるチャンスをつかみ、数十人単位で時折西門を通過していた。

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