57話:戦の確認②
レンデは薄暗い夕暮れ時、校舎の外に立っていた。背中には軽いリュックを背負い、中には4日分の携帯食料と水、雨をしのぐための外套、そしてもしもの時のための短剣が収められていた。荷物はそれほど大きくはなく、必要最低限の装備だけで十分だと判断していた。
彼は一度、周囲を見回し、静かに深呼吸をした。心の中では、ヘルミオの助言と自らの決意がしっかりと結びついていた。すぐにでも出発しなければならないという緊張感が、彼の体を一層引き締めていた。
校舎の玄関を出たとき、偶然にも教師の一人が現れた。教師は驚いた様子でレンデを見つめ、眉をひそめた。
「レンデ、君は一体どこに行くつもりだ?その装備を見る限り、王都を逃げるつもりか?」
レンデはその問いに対して、面倒くさそうに肩をすくめた。「これ以上の説明は省略するよ。僕にはやらなきゃいけないことがあるんだ。」彼は言葉を残して、そのまま教師の前を通り過ぎた。
教師は困惑した表情でレンデを見送ったが、レンデは気にすることなく、そのまま歩き続けた。夜の静寂が彼を包み込む中、レンデは戦場へ向かう決意を固めながら、歩みを進めていった。