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51話:潜入2回目
しばらくすると、レンデの意識はカワラヒワの体に移り変わり、小さな羽音を感じるようになった。彼はその新たな視点からエリスの部屋を見渡し、しばらくの間その静かな空間を楽しんだ後、王宮へ向けて飛び立つ準備を整えた。
「行ってきます、エリス。」レンデは心の中でエリスに向かって別れを告げ、窓の外へと羽ばたいた。
カワラヒワとしての視点で、レンデは空を飛び、王宮の高い塔を目指して進んだ。空気の流れを感じながら、慎重に飛び進んでいく。王宮の巨大な建物が、遠くからでもその威容を見せていた。
ついに王宮の窓に近づくと、レンデはその周囲を見回しながら、空いている窓を見つけた。王の間への侵入ルートを確認し、そこにカワラヒワとして静かに着地した。窓の外側に軽く止まり、内部の状況を慎重に探るレンデの目は、周囲の動きに注意を払っていた。
彼は小さな体で静かに窓辺に留まり、内部の様子をうかがう。王の間の中では、静かな雰囲気の中で何かが動いているのがわかった。レンデは窓の隙間から中を覗き込み、目立たずに情報を集めるための準備を整えた。