３５話：やらなければならないこと
レンデは特訓の後、寮の自室で一息つきながら、ヘルミオと向かい合っていた。彼の心はこれからの準備や課題でいっぱいだった。部屋の中には魔法の書やメモ帳が散らかり、彼の焦りがうかがえる。
「ヘルミオ、これからやらなきゃいけないことがたくさんあるんだ。」レンデはため息をつきながら言った。「特訓も続けなきゃいけないし、王宮への潜入準備もあるし、学校の勉強も疎かにできないし…。本当に、やることが多すぎてどうしようもないよ。」
ヘルミオの声が落ち着き、優しくレンデに響く。「確かに、これからの準備や課題は多岐にわたる。しかし、一つ一つのタスクを計画的に進めることが重要だ。焦らずに、しっかりと整理して取り組んでいこう。」
レンデは少し落ち着いた様子で、「そうだね、計画的に進めるしかないよね。でも、どこから手をつければいいのか、まずは整理したいんだ。」と続けた。「王宮の潜入についても、どう進めるか決めなきゃいけないし、まずは警備がどれくらい厳しいのか調べなきゃ。」
ヘルミオはその声に静かに応じた。「王宮の警備の厳しさを把握するには、まず外からの観察が必要だ。王城の周りをうろつくと警備兵に疑われる可能性が高いから、慎重に行動しなければならない。どうやって確認するかが鍵になるね。」
レンデは考え込みながら言った。「どうやって確認するのが一番安全だろう？もし直接近くで見ようとすると疑われるかもしれないし…。例えば、買い物をするように装ってゆっくり歩きながら観察するのがいいかもしれない。そうすれば自然に周りの様子を見られるし。」
「それは良い案だね。」ヘルミオの声が肯定的に響いた。「でも、視線を王城の門や警備兵に向けると、やはり疑われる可能性がある。だから、もししっかりと確認したいなら、遠くから観察するのがより安全かもしれない。」
レンデはうなずきながら考えた。「なるほど、遠くから見守ることで警備に気付かれずに情報を集めることができるね。では、どの位置から確認するのが最適か、周辺の地形や建物の配置を考えてみる必要があるかも。」
ヘルミオはその考えを支持するように言った。「その通りだよ。周辺の地形や建物の配置をよく把握して、最適な観察ポイントを決めることが重要だ。準備をしっかり整えて、情報収集を行うことで、潜入の成功率を高めることができるだろう。」
レンデは一層の決意を胸に、ヘルミオと一緒に具体的な計画を立て始めた。
