34話:自分の道と王宮の謎
レンデは、日々の特訓を通じて、次第に進学に対する考え方が変わってきた。彼の肉体的な成長と魔力の向上は著しく、特に実技試験での完璧な結果は彼の自信を深めていた。しかし、彼は次第に「学校に進学すること」にあまり意味を感じなくなってきた。
「僕はヘルミオと一緒に鍛えられるから、学校に進学する必要があまりないかもしれない」とレンデは考えるようになった。彼の目には、学校の枠を超えて、もっと広い世界を知りたいという強い好奇心が芽生えていた。特訓を通じて、自分がどれほど成長できるかを試しながら、外の世界で冒険することに対して、胸が高鳴っていた。
一方で、ヘルミオは自身の過去に関わる問題が気になっていた。50年の間に、多くのことが変わってしまった王宮について、彼は知りたくてたまらなかった。特に、王国の治世が変わり、現在の国王がどのような人物なのか、その背後に潜む真実が気になっていた。
「レンデ、君がRANK4に到達した今、私にはひとつ頼みたいことがある」とヘルミオは静かに言った。彼の声には、真剣な響きが含まれていた。「私が暗殺された後、50年の間に、王宮の状況は大きく変わったと聞いている。王宮の内部事情や現在の国王について調査するために、君に王宮への潜入を頼みたい。」
レンデは少し驚いた表情を浮かべながら、「王宮に潜入するって、かなり危険なことだよね?でも、ヘルミオがそれを望むなら、どうすればいいか教えてほしい」と、慎重に答えた。
ヘルミオはうなずきながら、「そうだね。危険が伴うことは確かだ。しかし、君の実力ならば、うまく潜入することができるはずだ。王宮の内部に関する情報を集めることが、この先の私たちにとっても重要な意味を持つからだ。」と説明した。
「わかったよ、ヘルミオ。僕の実力が試されるいい機会になるだろうし、その調査に挑戦するつもりだよ。」と、レンデは決意を込めた言葉で返答した。「でも、その前に、どんな準備が必要か教えてくれる?」
ヘルミオはうなずき、レンデに具体的な準備や注意点について話し始めた。王宮への潜入には慎重さが求められるため、レンデはその計画をしっかりと練り、必要な情報を集めることが重要だった。レンデは、これからの特訓や準備を通じて、成功へと導くための知識とスキルを身につけていく必要があった。
レンデは、王宮に関する情報収集を始めると共に、自分の新たな挑戦と冒険に向けての準備を進めることにした。彼の心には、進学や学校の枠を超えた広い世界での探求と、ヘルミオの過去に関わる真実を明らかにする使命が、強く刻まれていた。これからの彼の冒険がどのような結果を迎えるのか、その未来には大きな期待と不安が入り混じっていた。