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32話:食堂のひそひそ話

新学期が始まり、昼食の時間がやってきた。レンデは食堂に向かい、いつものようにトレイを持って食事を取りに行った。テーブルには様々なクラスメイトたちが集まっており、賑やかな声が飛び交っていた。レンデは空いている席を見つけ、トレイを持ってそこに座ることにした。


しかし、レンデが席に着くと、周りのクラスメイトたちが小声で話しているのが耳に入ってきた。話題は、実技試験の満点を取ったのがエリス以外にはレンデだけだったことについてだった。声は低く、少しずつ広がっていくその話題が、レンデの耳に届いた。


「レンデが満点だって…信じられる?こんなにすごいとは思わなかった」


「本当にすごいわね、あの実技試験の結果は圧巻だったもの」


「でも、筆記試験は…どうだったんだろう」


レンデは周囲の囁き声を聞いていると、だんだんと気持ちが高ぶってくるのを感じた。自分の頑張りが認められていることは嬉しいが、同時に鼻が伸びる気持ちを抑えようと必死だった。


「気にしない、気にしない」と、レンデは心の中で自分に言い聞かせ、周りの声を意識しないようにしようとした。


その時、隣の席にトレイを持ったエリスがやってきた。エリスは笑顔でレンデの方に向かい、トレイを置いた。


「こんにちは、レンデ」と、エリスは明るく声をかけた。「今日は一緒にランチを食べてもいい?」


レンデはその笑顔にほっとしながらも、少し驚いた。「もちろん、エリス。どうぞ。」


エリスは席に座りながら、周りのひそひそ話に気づいている様子だったが、特に気にする様子もなく、レンデに話しかけた。「実技試験、すごかったわね。みんなが驚いているのも無理はないわ。」


レンデは少し照れくさい気持ちになりながら、「ありがとう、エリス。でも、正直言って、周りの話が気になって…。自分のことがこんなに話題になるとは思っていなかったから」と、少し苦笑いしながら答えた。


エリスはにっこりと笑って、「それでも、レンデの実力が認められたのは当然のことよ。特訓の成果が出たんだから、自信を持っていいのよ。」と、レンデを励ました。


「ありがとう、エリス」と、レンデは感謝の気持ちを込めて答えた。「それに、エリスも本当にすごかった。試験の結果がどうであれ、君の魔力には感心するばかりだよ。」


エリスは少し照れくさそうに頬を染めて笑いながら、「ありがとう、レンデ。でも、今回の結果で私ももっと頑張らないとね。」と、自分の決意を語った。


二人は、食事を取りながら、試験のことや学校生活のことを話し合った。エリスの明るい話題のおかげで、レンデは次第に周りの声が気にならなくなり、リラックスした気持ちで食事を楽しむことができた。

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