30話:夏休みの特訓②
2か月間の夏休みが過ぎ、レンデは森の中での特訓を終えた。暑い日差しの中で、汗を流しながらも確実に成長を遂げたレンデは、ついに魔法使いのRANK3に到達した。このレベルは、中級魔法使いとして相当な実力を持つ証であり、特に火魔法の威力を操る能力が大きな成果となった。
その朝、レンデは特訓を終えたばかりの森を歩きながら、自分の成果を確かめるための試験を心に決めていた。広々とした空き地に到着し、レンデはそこに置かれている約3メートルほどの大きな岩を見つめた。
「いよいよ、これで自分の力を試す時が来た」と、レンデは自信を持って呟いた。
ヘルミオの声が、心の中で落ち着いたトーンで響いた。〈レンデ、これまでの努力が実を結んだな。今、君がどれだけ成長したかを試す良い機会だ。まずは火魔法でその岩を吹き飛ばしてみるんだ。〉
レンデは深呼吸をし、魔力を手のひらに集中させた。腹の底で回転させた魔力を凝縮し、手から出力する感覚を確かめながら、火魔法の準備を整えた。強い意志を込めて呪文を唱え始めると、手のひらに赤く燃え上がる火の球が現れた。
「火よ、強く、燃え上がれ!」と、レンデは声を出して呪文を唱えた。
魔力の球が徐々に膨れ上がり、明るい炎を放ちながら岩に向かって放たれる。その瞬間、火の球が岩に直撃し、猛烈な熱と爆風を発生させた。岩は粉々に砕け、周囲に火花と煙が舞い上がった。
レンデはその光景を見て、自分の成果に驚きと喜びを感じた。「やった…これが、RANK3の力なんだ」と、レンデは満面の笑みを浮かべながら言った。
ヘルミオの声が、心の中で柔らかく響いた。〈素晴らしい、レンデ。君の努力が実を結び、見事にRANK3の力を発揮できたな。これで中級魔法使いとしての実力を持つことができるだろう。〉
レンデはその言葉に感謝し、力強く頷いた。「ありがとうございます、ヘルミオさん。これからも、この力をどう活かすかが大切ですね。」
ヘルミオの声が、少し真剣なトーンに変わった。〈その通りだ。君の力は今後のさまざまな挑戦に役立つだろう。これからの道のりも長いが、自信を持って進んでいくことが大切だ。〉
レンデはそのアドバイスを胸に、新たな決意を抱いて森を後にした。