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197話:翼の団、結成

最後のポイズンウィーバーを倒した瞬間、部屋の中は静寂に包まれた。炎と蒸気の残滓が漂う中、レンデは息を切らしながらも仲間たちと安堵の視線を交わした。


「これで、全てが終わった…」リュウが周囲を見渡しながら呟いた。ポイズンウィーバーの死骸が黒enedな残骸と化し、卵の一部が割れ、薄い膜のようなものが床に散らばっている。レンデはその場から死骸を取り、証拠として持ち帰ることを決めた。


「これを持って帰ろう。執政官に報告する際の証拠になる。」レンデはポイズンウィーバーの死骸を慎重に担ぎ上げた。


「私も卵を一つ持っていこう。」ジェシカは割れた卵を拾い上げ、手にした。


「よし、これで準備は整ったな。」マークが周囲を確認し、リュウと共に出口へと向かった。全員が疲れきっていたが、任務を果たした達成感が彼らを支えていた。


その後、一行は近くの森や林へと足を運び、変異狼の痕跡を探し続けた。しかし、どれだけ探しても目撃情報や足跡、匂いさえも見つからなかった。


「どうなってるんだ…?ここには何もない。」リュウは苛立ちを隠せず、周囲を見回した。


「きっと、変異狼はこのあたりにはもういないのかもしれない。」ジェシカが冷静に分析する。「逃げて、別の場所に移動した可能性が高い。」


「時間をかけて探しても見つからないかもしれないな。」レンデは考え込む。「このままでは執政官に報告するのが遅れる。仕方がない、王都に戻ろう。」


一行は不安を抱えながらも王都へと向かうことを決定した。執政官に報告することで、変異狼の行方を追跡してもらえる可能性もある。


王都に到着すると、すぐに執政官の執務室へと向かった。レンデたちは、持ち帰ったポイズンウィーバーの死骸と割れた卵を前にして、事件の詳細を報告した。


「変異狼についての情報は得られませんでしたが、ポイズンウィーバーは全て排除しました。」レンデは執政官に向かって毅然とした声で説明する。


「よくやった。」執政官は静かに頷き、彼らの持ち帰った証拠を慎重に確認した。「しかし、変異狼の行方は依然として不明だ。周囲の村や街に警告を出し、情報を集める必要がある。」


「はい、お願いします。」レンデは執政官に感謝し、仲間たちと共にその場を後にした。


「変異狼、どこに行ったんだろう…」リュウがつぶやくと、皆の心の中に不安が広がった。



王都の執政官のもとに、レンデたちが報告に訪れた。彼らは最近の冒険の成果を示すため、ポイズンウィーバーの死骸と割れた卵を持参していた。


「報告は以上です」とリュウが言った。執政官は真剣な面持ちで彼らの話を聞き、頷いた。


「見事な働きでした。これが報酬です」と執政官は袋から金貨を取り出し、彼らに渡した。


レンデ達はその金貨を受け取ると、心の中で仲間たちの努力を思い返した。彼らは強い絆で結ばれ、数々の試練を乗り越えてきたのだ。


「ところで、あなたたちの団の名前をお聞かせください」と執政官が尋ねた。


「私たちは『翼の団』です」とリュウが自信を持って答えた。


執政官は羊皮紙にその名前を書き込み、確認する。「『翼の団』…良い名前ですね。これからもその名に恥じないよう、頑張ってください」と微笑みながら言った。


数日後、彼らは新たな稼ぎを得るために、再び、狩りへとでかけて行った。


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