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192話:執政官からの依頼

王都に戻る道すがら、リュウ、レンデ、マーク、ジェシカの4人は、連日の狩りで手に入れた金貨5000枚について話し合っていた。


「この金、どう使うべきかな?」とリュウが問いかける。


「装備を整えたばかりだから、今は貯めておくのが賢いだろう」とレンデが冷静に答える。


「いや、せっかくだから武器や防具をもっと強化してもいいんじゃないか?」とマークが提案。


ジェシカも「それもいいけど、次の冒険に備えた方がいいと思う」と言い、皆が頷き、会話が弾みながら城門をくぐったと同時に、

道の先に立つ騎士たちに行く手を止められた。


「お前たち、ここに来い」と高圧的な声が響く。


マークが前に出て反発した。「いくら騎士とはいえ、もう少し礼儀をわきまえるべきだろう!」


騎士は冷たく返した。「我々の命令に従え。騎士団の詰め所に同行してもらう。」


リュウがすぐに前に出て仲裁に入る。「分かりました。私たちがついて行きますから、どうか落ち着いてください。」


レンデも頷きながら言った。「お世話になります。」


こうして4人は騎士に従い、騎士団の詰め所へと向かった。


詰め所に入ると、そこには意外な人物が待っていた。王宮の執政官、アルトゥールが姿を見せる。


「お待ちしておりました、君たち」と彼は威厳のある声で話し始めた。


レンデが尋ねる。「執政官様、何のご用でしょうか?」


アルトゥールは一呼吸置き、「最近、王都周辺で異常な魔物が出没しているとの報告がありました。君たちの力が必要です。」


マークが驚いた様子で聞く。「どのような魔物なのですか?」


「人々を襲い、行方不明にさせています。その中には、人間の姿を模倣するものもいると言われています」とアルトゥールが重々しく答えた。


リュウは慎重に言葉を選びながら質問する。「執政官様、この任務を引き受けるにあたり、他の傭兵に依頼されたことはありますか?」


アルトゥールは少し表情を曇らせ、「確かに他の傭兵団に依頼したが、結果は思わしくなかった。報告内容によれば、任務は失敗に終わっている」と言った。


リュウはそれを聞いて目を細め、「そうですか、それだけ難しいということですね。それなら、後金として金貨50枚の上乗せを要求します。」


アルトゥールは一瞬考え、渋い顔をしながら「金貨20枚でどうだ?」と返答した。


リュウは一呼吸置き、「分かりました。では、その条件で引き受けましょう」と頷く。


安心したジェシカが続ける。「ありがとうございます、執政官様。」


アルトゥールはさらに詳しい情報を話し始める。「最近、王都周辺で目撃されている異常な魔物についてですが、『変異獣』と呼ばれる存在です。」


「変異獣?」とマークが首をかしげる。「それはどういうものですか?」


「他の生物を模倣し、その姿を変える能力を持っています。特に村人や旅人の姿を模倣し、襲いかかるのです」とアルトゥールは説明した。「その見た目はほとんど人間そのものに見えるとの報告があります。」


「それは恐ろしいですね…」とジェシカが震える。「どうやって見分けるんですか?」


「それが問題です。村人たちは誰を信用すべきか分からず、恐怖が広がっています。君たちには、その正体を突き止め、必要であれば排除してほしいのです」とアルトゥールは真剣に依頼する。


リュウが頷き、「もちろん、その依頼を引き受けますが、報酬について確認しておきたい」と言った。


「前金として金貨200枚、後金としてさらに200枚、そしてさきほどの上乗せ分20枚を加えて支払います。ただし、結果を出していただくことが条件です」とアルトゥールが答えた。


「それで十分です」とリュウは静かに答え、仲間たちも頷いた。

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