１８話：これからの道
教室の静寂の中、レンデは冷や汗をかきながら、アレクの痛みを引き起こした腕から手を離した。彼の呼吸は乱れ、心臓は激しく打ち続けていた。ヘルミオの声が、レンデの心に響いていた。
「レンデ、君は今の力を完全には制御できていない。君自身で発動させることが難しい状態だ。」
レンデは目を閉じ、ヘルミオの言葉をしっかりと受け止めた。その痛みと疲労に満ちた感覚の中で、ヘルミオの言葉は冷静に、しかし確実に響いた。
「君の肉体と魔法の制御が未熟なため、今後のためには肉体的な特訓と魔法制御の特訓が必要だ。私の助けを借りるだけでは不十分だろう。自分自身でその力を扱えるようにするためには、強化と訓練が必要だ。」
レンデはその言葉に深く頷いた。彼の心は痛みと興奮の中で揺れていたが、ヘルミオの助言は明確であった。これからの道筋を見据え、彼は覚悟を決める必要があった。
アレクが教室の外に去った後、周囲のクラスメイトたちも徐々に元の状態に戻り、囁き声や不安な視線が彼に向けられていた。レンデは自分の席に戻り、ゆっくりと呼吸を整えた。彼の心は、これからの特訓に向けた決意でいっぱいになっていた。
「肉体的な特訓は、君の身体を鍛え、力を適切に使えるようにするためだ。魔法制御の特訓は、君がその力を意識的に扱えるようにするためだ。」ヘルミオの声が、冷静に続けた。
「両方の訓練を並行して行うことが重要だ。まずは基礎から始め、徐々に難易度を上げていこう。君がその力を正しく使えるようになるまで、私がサポートするが、自分の努力が不可欠だ。」
レンデはヘルミオの助言を心に刻み、これからの訓練に備える決意を新たにした。彼は深く息を吸い込み、心の中で目標を設定した。アレクとの対峙は、彼にとって単なる始まりに過ぎなかった。これからの試練に立ち向かうためには、何よりもまず自分自身を強化する必要があった。
この日の授業が始まると、レンデは意識を集中し、しっかりと学びに取り組み始めた。彼の内なる決意と、ヘルミオからの助言が彼を支え、彼の未来へと繋がる道を開いていく。
