表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
178/198

178話:新たな隠れ家

レンデは倒した二人の金貨袋と、命を助けた一人から代償として受け取った剣を、手早く空間収納に入れた。そして王都の南門へ向かい、わざと隠蔽を使わず堂々と入る。(隠蔽を使わないことで、目立つように見せてやろう。相手に自信を示すのも一つの手だ)と思いながら、南門の衛兵に軽く挨拶を交わし、城門を通り抜ける。


門をくぐり、しばらくの間は誰かの視線を遠くに感じていた。だが、三ブロックほど進んだところでその視線は消えた。レンデは気を張りながら周囲に意識を向ける。(あの視線も消えたか。これで一段落か?)と胸の内で呟きながらも、油断はしていない。


自然と感じ取れるようになった周囲の気配にレンデは少し驚く。(これ、前からできたか?いや、今まで感じなかったはずだ。RANKが上がった恩恵だろうか…)と考え、今の自分を見つめ直す。確かに最近RANK7に到達したが、まだその力を十分に使いこなせていないと感じていた。(形だけRANK7になったとしても、実力が伴わなければ、今日のような連中に足元をすくわれる可能性はゼロじゃない。もっと腕を磨かないとな…)と自分を戒めた。


その後、レンデは王都内の隠れ家が必要だと考え始めた。(いつでも逃げ込める安全な場所があれば、安心して活動できる)と考え、まずは商人の店へ向かうことにした。


少し大きめの商人の店を見つけると、そこで物件の紹介を受け、騎士団の近くと東門の近くの家を見せてもらう。どちらも少々値が張る物件だが、安全を優先するならば安易な選択はできない。午前中に二軒を見た結果、少し出費にはなるが東門近くの家を選ぶことにした。


家は、大銀貨2枚を10日毎に払う前払いの賃貸料で商人の店に払うことになっている。1階に広めの一部屋、2階に小部屋が二部屋ある。(1階に踏み込まれても、2階から逃げることができるかな…万が一の事態を考えると、これくらいの準備はしておくべきだ)と慎重に思案しながら、レンデは家の契約を済ませると同時に、金貨2枚でベッドを注文した。

しっかりした造りのベッドで、2人用のダブルベッドだ。


レンデは宿に戻ると、手早く荷物をまとめ始めた。(もうここに長居は無用だな…)と感じつつも、慎重に動く。数日しか滞在していなかったが、王都での活動拠点を移す決断を下したのは正解だった。宿の出入り口をちらりと確認すると、誰かに見られている気配を感じた。(やはりか…ここも監視対象になっている可能性がある)


レンデは落ち着いて荷物をまとめ終えると、荷物を抱え、静かに部屋を後にした。宿を出る際には、視線を感じる場所を再度確認し、しっかりと隠蔽魔法をかけた。(隠蔽がこれでバレないはず。追跡を避けるためにも、今は慎重に動くしかない)


完全に気配を消し、慎重に通りを進んだ。わざと遠回りし、時折別のルートを使うことで、万が一の追跡者がいても振り切れるように動く。隠蔽を何度か使いながらも、新しい住処に向かう途中で一度も視線を感じることはなかった。(よし、これでひとまず安心だ)


新たな家に着くと、レンデは扉を開けて中へ入った。すぐに荷物を整理し、軽く部屋を確認する。(ここならしばらく安心して過ごせる。騎士団や仲介所に行くにも便利な位置だし、何かあっても東門から城の外へすぐに逃げられる位置だ。悪くない選択だったな)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ