表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
176/198

176話:殲滅されたグリムドッグ

レンデは騎士団の受付を離れようとして、ふと、改めて問いかけた。


「ところで、グリムドッグの追加討伐依頼は出ていますか?」


受付の騎士は書類を取り出し、しばし目を通すと、簡潔に答えた。「はい、依頼はすでに処理されています。国境の監視所からの報告では、全体でおよそ40頭。10頭ずつの群れが4つ確認されています。討伐の報告は26頭、さらに10頭、そして4頭の報告が上がっているので、これで全頭処理済みです。」


騎士は続けて、張り紙を指差しながら、同じ情報が書かれた紙をレンデに渡した。「こちらの内容と同じですので、よろしければ確認しておいてください。」


(なるほど、既に全て処理されたか…それなら、これ以上の追加依頼は期待できないな。) レンデは紙を軽く一瞥し、礼を述べて騎士団を後にした。


騎士団の扉を閉めると、先ほど感じた視線のことが再び頭をよぎった。(さて、ここからは慎重にいかないと。普通の行動は避けた方がいい。待ち伏せがあるかもしれないからな…。) 心の中でそう思いつつ、扉を出た瞬間に隠蔽の魔法を発動し、姿を消した。


彼は街の通りを進むたび、数ブロックごとに隠蔽を使い直しながら、注意深く歩いた。安全な場所にたどり着くまで気を抜けない。目的地は、以前杖を購入したことがある魔法道具屋、セルヴィスの店だ。


レンデが魔法道具屋「セルヴィスの店」に入ると、店内は薄暗いが、商品が丁寧に陳列されており、落ち着いた空気が漂っていた。店主のセルヴィスは、カウンターの奥で作業をしていたが、レンデの姿を認めると、すぐに顔を上げた。


「おや、これはレンデ様。ようこそいらっしゃいました。先日はエンバーの杖をお買い上げいただき、誠にありがとうございました。その後、杖の使い勝手はいかがでしょうか?」セルヴィスは柔らかな笑みを浮かべ、いつもよりも丁寧な口調で対応した。即金で購入する上客に対して、彼は特に気を配っているようだった。


レンデは軽くうなずき、礼を述べた。「とても使い勝手が良いです。あなたのおかげで、戦いでも役立っています。」


セルヴィスは満足げにうなずき、「それは何よりでございます。何かご入用のものがあれば、何なりとお申し付けください。本日はどのようなご用件でしょうか?」


レンデは少し考えた後、要件を伝える。「今日は、塩硝粉を3個と、蜃気楼の塵を1袋お願いしたいです。」


セルヴィスは即座に対応し、カウンターの下から慎重に商品を取り出して並べた。「塩硝粉は250g入りが3個で銀貨30枚。そして、蜃気楼の塵が銀貨40枚になります。合計で銀貨70枚でございます。」


レンデは財布から金貨1枚を取り出して手渡しながら、「これでお願いします。」と簡潔に言った。


セルヴィスは丁寧に受け取り、大銀貨3枚をお釣りとして手渡す。「金貨1枚、確かに頂戴いたしました。お釣りの大銀貨3枚でございます。いつもありがとうございます。何かお困りごとがございましたら、どうぞお気軽にお声掛けくださいませ。」


レンデは購入した塩硝粉3袋と蜃気楼の塵を腰のバッグにしまいながら、「助かります。いつも丁寧にありがとうございます。また何かあったら伺います。」と感謝を述べた。


セルヴィスは丁寧に頭を下げながら、「こちらこそ、レンデ様。いつでもお待ちしておりますので、どうかご安全に。」と見送った。


(良い買い物ができた。さて、次の行動に移るか…) レンデは心の中でつぶやき、隠蔽の魔法を使いながら店を後にし、慎重に街を抜けていった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ