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174話:傭兵たちの思惑

レンデは解体所に出したアースベアから金貨8枚を得た。一人2か月分の稼ぎに相当する額だったため、満足のいく収入だ。金貨8枚を手にしたレンデは、少しだけ誇らしさを胸に抱きながら酒場へ戻った。


店内に入ると、リュウ・アケミ、ジェシカ・フォード、マーク・ドレイクの3人が、さきほどと同じテーブルに座っていた。レンデが戻ると、リュウが軽く手を挙げて合図する。


「おかえり、レンデ。どうだった?」リュウが穏やかに声をかけた。


「アースベアの解体で金貨8枚だ。ひとり2枚ずつ分けられる。」レンデはテーブルに座りながら、金貨を取り出して見せる。


マークがニヤリと笑って言った。「そりゃいい稼ぎだな、2枚もあれば酒と飯に困らねえ。」そして、手を伸ばして受け取った。


「確かに、十分だわ。」ジェシカも頷いて、静かに金貨を手に取った。


「今日の分配が終わったところで、明日は休みにしようと思うんだが、どうだ?」リュウが提案した。彼女の口調にはリーダーとしての自信がにじみ出ていた。


「賛成だ。」レンデは同意した。「このまま騎士団に情報を確認しに行くつもりだけど、少し体を休めたい気もするなぁ。」


「そうね、私も休むべきだと思う。次の狩りには力を蓄えたいし。」ジェシカが微笑みながら答えた。

「わかった、じゃぁそれは明日にするよ」レンデは返した。


マークは、テーブルに寄りかかりながら、「まあ、俺はこれから遊びに行くけどな。繁華街でちょっと派手にやる予定だ。リュウもジェシカもどうだ?」と誘った。


「女子飲みの約束があるから遠慮するわ。」リュウが笑いながら言い、ジェシカも同調した。「私もリュウと一緒よ。行ってらっしゃい、マーク。」


マークは笑顔で立ち上がり、賑やかな街へと向かっていった。リュウとジェシカも立ち上がり、別の酒場へ行く準備を始めた。


レンデは、宿屋で早めに食事を済ませ、静かな夜に眠りについた。明日は、騎士団を訪れて最新の情報を確認する予定だ。何か重要な進展があるかもしれない。


翌朝、レンデはまだ薄暗い時間帯に目を覚まし、宿屋の食堂で朝食を早めに済まそうとしていた。食事を持ってきてくれた宿の主人は、何か気になるような顔をしている。


主人が食事をテーブルに置き、辺りを見渡してから、低い声でささやいた。「あんた、狙われてるよ。」

レンデは驚いて主人の顔を見つめる。「狙われてる…?」


「そうさ、他の傭兵たちが、あんたの稼ぎを狙ってるって噂が流れてる。昨日ここで話している連中がいたよ。最近、たんまり金をため込んでるって話が広まってるんだろうな。気をつけな。」


そう言うと、主人は急いでカウンターに戻っていった。レンデは一瞬緊張しつつも、チラリと周りをみたあと冷静さを取り戻し、深く息をついた。

これは何か手を打たないといけないな。


そもそも、僕は、まわりの同業者にどう見られている?新進気鋭のリュウ達に、どこの奴かもしれない魔法使いが入ってきて、若いし実力もたいしたことないだろう。それなのに、彼らの稼ぎからうまい汁を吸っている、派手な遊びもしないし、貯め込んでいる金があるなら頂こう、という思考回路なのかな、、、

大勢いるところで力を見せつけるのか、襲ってくる奴を順番に返り討ちにするのか、

荒事は嫌なんだけどなぁ、、、

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