159話:2回目の討伐
王都の街灯がともる中、レンデと仲間たちは騎士団の詰め所を後にし、宿へ向かいました。王都の宿は落ち着いた雰囲気で、外の喧騒とは対照的に静かな時間が流れていました。
「ここで一泊して、また明日からの準備を整えましょう」とリュウ・アケミが提案します。
「いい考えですね。馬も休ませて、明日のためにエネルギーを充電しましょう」とレンデが同意します。
宿の主人は彼らを温かく迎え入れ、部屋へ案内しました。「こちらが本日のご宿泊部屋です。何かご用があれば、どうぞお知らせください。」
部屋は快適で、ゆったりとしたベッドが並んでいました。レンデは早速、荷物を整理し、馬にかけた魔法の効果で疲れた体を休める準備をしました。
「さて、今日はもうゆっくり休むとしましょう」とレンデが仲間たちに声をかけます。
ジェシカ・フォードが笑いながら、「そうね、こんなに快適な宿で休むのは久しぶりです。今日はしっかりとリラックスしましょう。」
「良い一日でしたし、みんなも疲れているでしょうから、しっかり休んでくださいね」とマーク・ドレイクが付け加えます。
部屋の中では、レンデが荷物を片付けながら、仲間たちと談笑しました。彼らの話題は今回の討伐の成果や、今後の計画などに広がりました。
「グリムドッグとオーガ、そしてバイコーンの討伐で、これほどの報酬が得られるとは思ってもみませんでした」とレンデがしみじみと話します。
「本当にすごい成果でしたね。でも、これもみんなの協力があったからこそです」とリュウが答えます。
夜も更け、レンデたちはそれぞれのベッドに入って、心地よい眠りへと落ちていきました。
外の喧騒とは裏腹に、宿の中は静かで穏やかな夜を迎えていました。レンデは、翌日の準備を心に刻みながら、ぐっすりと眠りにつくのでした。
翌朝、彼らは早めに起きて朝食を済ませると、
薄明りの中、レンデと仲間たちは宿から出発し、再び馬に驚速の魔法をかけました。夜明け前の空は薄い青色に染まり、王都の街並みが徐々に視界から消えていきます。馬の脚は一層速くなり、彼らは風のように駆け抜けていきました。
「このまま行けば、国境に到着するのも早いでしょう」とリュウ・アケミが前方を見据えながら言います。
「そうですね、昨日の稜線からだいぶ南に移動したので、国境手前まではほぼ一日で到着しそうです」とレンデが答えます。
日が傾き始める頃、彼らは目的地である国境に到着しました。南のエリアにある国境の風景は、稜線から見たものとはまた違った印象を与えます。広がる草原と山々が、彼らの前に広がっていました。
「ここが国境ですね。昨日よりも南側に来ましたが、エリアの広さに比べれば大した距離ではありませんでした」とマーク・ドレイクが振り返ります。
「確かに。もう少しで私たちの任務エリアに到着しますね」とジェシカ・フォードが付け加えます。
レンデたちは国境の通行所に到着し、守衛たちに事情を尋ねました。守衛たちは明らかに警戒しており、国境のチェックも厳重に行われていました。
「どうですか?北の方では何か異常はありませんか?」レンデが守衛に尋ねました。
守衛の一人が答えます。「北の方には異常はありません。グリムドッグの群れが南から侵入してきたという情報は聞いていますが、ここにはまだ攻撃されていないようです。」
レンデは仲間たちと目を合わせました。「そうですか。なら、少し南に移動して状況を確認し、もし必要ならそこから調査を続けるべきですね。」
リュウ・アケミが頷きます。「それが良さそうだ。南の方で情報があるかもしれないし、早めに動いておくに越したことはない。」
彼らは決定を下し、国境からさらに南へと進むことにしました。